【QK】トライアングル【fkr.kwmr】

２日目の感謝 ページ29

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昨日から感謝ウィークらしきものが始まった。私からしたら謎でしかない１週間になることを暗示していて、今日は誰から感謝を伝えられるのか疑心暗鬼である。今日も今日とてブラックコーヒーとコンビニスイーツを手に持ち、玄関からオフィスに入ると誰も居なかった。けどいつもの景色とは少し違う。


入ってすぐの真横の壁にあろうことか謎解きらしきものが貼ってあった。『Aさんへ』と書いてあるので１００％私宛のもので、さん付けして呼ぶということは伊沢、川上、山本、こうちゃんの誰かであることが分かる。まぁ謎解きを出すぐらいだから大体検討はついてるのだけど。





「えーっと？執務室？」





どうやら謎を解いてみると執務室という言葉が浮かび上がってきた。執務室が答えになる謎解きはそうそう無いだろう。私が謎を解かずに全部屋見て回ったらどうするつもりだったのか。そこら辺は詰めが甘いなと思いつつ執務室のドアを開けた。





「やっぱり天使だ」

「僕の名前跡形もなく消え去ってるじゃないですか」

「ちょっと面倒臭くて」

「てかよく気付きましたね、僕だって」

「そりゃあ気付くでしょ。そもそも謎解き問題作るような人は福良か天使ぐらいなんだから」





うわぁ！とその場に突っ伏す山本くんは自分の詰めの甘さに気付いたらしい。まぁそんなところが可愛くてしょうがないんだけど。





「まぁ精々頑張るがいいよ」

「うぅ…いつかギャフンと言わせてやります」

「それで？感謝ウィークなんでしょ？」





ギャフンとは言いたくないけど山本のことだからすぐ成長すると思う。普通に。と言うか今の時点で本当は私よりずっと良い子で仕事が出来る後輩だと思うんだけど。そして彼が私をここに呼び出したのは紛れもなく感謝ウィークが関係していると思うので、昨日の反省を生かし身構える。





「はい、そうなんです。僕からはスミレをプレゼントします」

「わ。なんなの？花束をみんなくれるとかそういうこと？」

「あれ？聞いてませんでした？」

「聞いてなかったよ！びっくりだよ！もう…だからこんなキレイなお花私には不釣り合いだよ」





さすがにこんなにもキレイな花束を７日間続けて貰うのは気が引ける。まだ純粋な心を持っているキレイな人ならば似合うかもしれないけど、私なんかにはお手紙とかだけで充分なのに。





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