【QK】トライアングル【fkr.kwmr】

４日目の感謝 ページ33

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「ふんふふーん」

「ご機嫌ですね」





流石に最初こそ戸惑っていたけれど、何日も感謝され続けられて良い気がしない人はそうそういないと思う。しかし正直なところ連続で感謝されていると感動というものは日が経つにつれて薄れていくわけで、最終日の人は少し可哀想な気もする。嬉しいものは嬉しいのだけれど。





「でしょ？そりゃあこんだけ感謝されてればご機嫌よ」

「Aさん感謝ウィーク終わったら虚無感に包まれそうですよね」





棘のある言葉をズバズバと言ってくるのは灘俺。──おっと。川上だった、失敬。彼の言ってることは正論なのだけれどどうしても彼が言うと多少毒舌に聞こえてしまう。





「川上が毎日感謝してくれてもいいんだよ」

「それじゃ特別感が無くなるじゃないですか」

「てことは毎日言葉には出てないけど感謝してる…と？」

「どうしても感謝されたいんですね」





虚しい奴を見るような目で見るな。憐れむな。





「いや、ノリじゃん？本気で言ってたら恩着せがましいじゃん？」

「貴女はいつも恩着せがましいですけどね」

「くっ…」





川上の言葉にはいつも胸をグサグサと刺される。それでもこうして話すのは私が川上のことを好きなのだろう。恋愛としてじゃなくて、人として。





「まぁ私はいつも感謝されるようなことしてないからさ、別にいいんだけど。てか私が感謝するべきなんじゃないかって思い始めてきてるよ」





毎回毎回ありがとうって言ってくるけどそれを言いたいのは此方だ。こんな何も出来ない凡人を拾ってくれたQuizKnockには恩しか無い。優秀なCEOを始めとして素晴らしい人材に囲まれた会社はそうそう無いと思う。そんな場所で働けていること自体が奇跡みたいなもので。よく私は新入社員の育成を任せられるけど、伊沢がスカウトしてくるぐらいの人材だから私が教えることなんてほぼほぼ無くて、むしろ教わることばかり。





「いいんですよ、感謝されとけば」

「うぅ…、んで今日の感謝担当は川上なんでしょ？」





天才なのに何処か不器用なこの会社の社員達は普通に感謝を伝えに来てくれればいいのに、そわそわしながら私を執務室とかに呼び出す傾向がある。そんなところがとっても可愛いなとか思うけれど、そんな感情を抱くのもこれが最後かな。あと残ってるのは伊沢と河村と福良だし。





「…バレちゃいましたか、俺からはネコヤナギです」





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