そして… ページ34
翌日。
昨日あんなことがあったとはいえ、HiHi Jetsには関係ないから、私は普通に事務所に出勤して、普通にHiHi JetsとYouTubeの撮影をしていた。
閂さんが無断欠勤している、というのは、ふっかさんからの連絡で聞いた。樺さんも椙山さんもたいへんだな…なんて、他人事でいられるのは、悩みが解決したからか。
…これで当分は彼らにも、へんなスキャンダルは起こらないだろう。
呼び出されたのは、お昼ごはんの時間。
HiHi Jetsのメンバーにお弁当を配って、さぁ自分も…というタイミングで、樺さんに呼ばれた。
樺「一緒にごはんは、久しぶりだね」
A「ですね笑」
樺「…閂さんが、迷惑をかけたね」
A「いえ…」
樺「さっきね、通達があって。彼女は懲戒免職、ということになったよ」
A「…そうですか」
樺「……楠さん的には、不満かもしれないけど」
A「いえ…大丈夫です。ご報告ありがとうございます」
それから樺さんは、閂さんについて教えててくれた。
入社して最初に配属されたHey!Say!JUMPでも、最初の内は頑張っていたそうだ。
だけど、あまり成果がでず。ならばメンバーに好かれようと、女を武器にしだした。
けれどそれがかえって、メンバーや他のマネージャーの不信感を増幅させた。
問題児、とされた彼女は。通常ならば３ヶ月でJr.のマネージャーへと配属されるはずだが、もう少しトレーニングさせよう、と、社内でも実力者と評価が高い樺さんのもとに送られた。
樺さんについて、頑張れればよかった。
だが、もう彼女は、『仕事を頑張る』気持ちはなく、『好かれる』ほうにベクトルが向いていた。
結果、阿部ちゃんのスキャンダルを引き起こし、翔太くんのスキャンダルを引き起こした。
叱られる中、耳にする「楠はよかったのに」の言葉。
メンバーと仲良くする私の姿。
それが、彼女の気持ちを、どんどん歪めていった。
樺「閂さんも、頑張ってはいたんだよ」
A「…ですね」
樺「とはいえ、やったことはどう考えても許されることではないからね」
A「なるほど、です」
樺「ところで………佐久間と、仲直りしないの」
そう。あれから。
私の目をみて発してくれた、あの一言以来、大ちゃんとは話せていない。
A「喧嘩したわけじゃないですから」
樺「佐久間、わかりやすく凹んでるよ笑」
A「……休憩終わりです、戻りますね。報告ありがとうございました」
別に…大丈夫だよ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1417人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめ
| 作成日時：2022年12月25日 9時
