マンションへ ページ21
品川駅へついたら、ひかるくんが優しく起こしてくれた。
ずっと寝てたのか…ヨダレたれてないかな、大丈夫かな。
わたしの荷物はすでに舘さんの手の中にあって、有無を言わさず、運んでくれた。マジでごめんなさいほんとごめんなさい。
岩「タクシーでかえろっか」
そう言ってくれたひかるくんの言葉に甘えてタクシーへ…ひかるくんが告げた住所がウチってあたり、優しいよね、ほんと。
…と思ったんだが。
A「なんで２人もここで降りるんですか」
岩「いや、あの」
宮「手紙を見ようと思って。」
A「手紙？……あぁ、あれですね」
手紙なぁ。見て面白いもんでもないけどなぁ。
A「えーっと…あ、今日も入ってた。これです」
宛先も差出人もない手紙。封筒が同じだから、きっとストーカーさんからのでしょう。
岩「みせて。」
A「面白いもんでもないですよ？どうぞ」
手紙を手渡す………ん？この感触…
岩「開けるよ？」
A「ちょっとまって！！！………っつぅっ…」
宮「姫！」
ひかるくんの手から手紙を奪い取る。その瞬間に、手のひらに走る衝撃。滴る、血。
やっぱなー、だと思った。よかった、守れて。
岩「Aちゃん！」
A「綺麗に切れましたねー、仕込みかたうまいな…ひかるくん、怪我ないです？」
岩「俺は大丈夫だけど、Aちゃんが…」
宮「姫、手当てしよう。部屋に入れて」
A「大丈夫ですよー、これくらい」
宮「大丈夫じゃない。手当てさせて」
A「……はい」
大丈夫なんだけどな。けど絶対この人たちは引かないから…お願いしよう。
.
宮「そう、カミソリ。
うん。
うん。
いや、そこまでは。
うん。
わかった、ありがとう
うん、じゃ。
縫うまでではないって。ガーゼと包帯でいけるって」
A「…どこ情報ですか」
宮「母。カミソリの傷は日常茶飯事だったらしいから、手当てのしかたも知ってるし」
A「…なるほど」
せっせと手当てをしてくれる舘さんに反して、泣きそうな顔のひかるくん。
何て顔してんの…Snow Manのリーダーが…
A「なんで泣きそうなんですか」
岩「…さっき、守りたいって。言ったばっかじゃん、なのに俺…守れてねぇじゃん、全然…」
A「そんなこと…今回は偶然ですよ」
むしろわたしの事に巻き込んでしまったんだから…こちらこそごめんなさいだよ、ほんと…
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作者名：まめ
| 作成日時：2022年12月25日 9時
