帰路 ページ20
っくぁ〜〜〜〜つかれたぁ！！節々がいたいぃぃ…くそう師匠め…遠慮なく締めやがって…手加減と言うものを知らんのか…
岩「Aちゃん、荷物持とうか」
A「大丈夫ですよー、ありがとうございます！」
あのあと宗親くんが名古屋駅まで送ってくれて。無事に新幹線に乗れました…誰にもバレてないと思います。きっと。
そして定番グリーン車です。だいぶ慣れてきました。
…う…上に荷物がおけない…腕が上がらない…くそぅ、師匠め…
宮「やるよ、貸して、姫」
A「すみません…これだけお願いします…」
宮「はい。姫、席代わるよ。俺の席窓際で照の隣だから寝れるでしょ」
A「寝ないですよぅ…」
宮「眠そうな顔してるよ笑 隣に知らない人が来るかもしれないとこじゃ寝れないでしょ」
A「うぅぅ…ありがとうございます…」
あーマジで限界だ…昔はあんなくらい軽かったのになぁ…30歳の壁は…大きい…
お言葉に甘えよう…
A「ひかるくん、失礼します…」
岩「どうぞ」
A「うぅ…舘さんに気を遣わせてしまいました…」
岩「はは、本人は気を遣ってるつもりなんかないよ、大丈夫」
いやいや明らかに気を遣わせたわ…申し訳なさの極みや…
岩「…Aちゃんって、強いね」
A「どういう意味で」
岩「メンタルもだけど、少林寺も」
A「強くないですよ。見てたでしょー？師匠にあんだけやられて、いまボロボロですよ…」
岩「少なくとも俺より強いよ笑」
A「……可愛くないですよね」
岩「ん？」
中学卒業してから彼氏ができなかった私。
出会いが少なかったって言うのも勿論あるけど。高校関係で出会えた人も、少林寺で出会えた人も皆、「自分より強い女は…」って離れていった。
男の子にとっての「可愛い」は、「自分より弱い」なんだろうなっていうのが、身に沁みてわかっちゃったんだよね。
A「自分より強い女は…可愛くないですよね」
岩「Aちゃんは可愛いけど。」
A「え？」
岩「けど…彼女より弱いのは男としてなんか嫌だし、彼女より強くなれるように頑張ろうとは、思うかな。守りたいから」
A「…なるほど、です」
岩「うん。Aちゃんは可愛いよ」
A「…ふふ…ありがとうございます…」
岩「…寝る？おやすみ、Aちゃん」
A「……はぁい……」
なんか、たくさん褒めてもらえた気がするけど。
夢の中までは、聞こえなかった。
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作者名：まめ
| 作成日時：2022年12月25日 9時
