セコム ページ15
(楠side)
皆それぞれに楽しんで、騒いで、飲んで、食べて。23時30分、そろそろお開きに、となった。
で、また論争なんですよ…いや、ハーレム好き女子なら嬉しいかもしれんけど、わたしは嬉しくないぞよ…
佐「しょったは今日ずっと一緒にいたでしょ！だから俺！」
渡「今日は俺の日だから俺が責任もって送ってくし」
佐「やぁだぁ！」
お酒が入っているからか、なんか皆さんテンションおかしくないですか。なんでもいいけど早く帰りたいお風呂入りたいドレス脱ぎたい。
佐「ぽんっ！よし！俺の勝ち！Aちゃん、帰ろー！」
渡「…チッ…」
A「帰ろー」
誰が私を送っていくか論争は、大ちゃんに決まったみたいです。じゃんけんは正義。ありがとう。
佐「お手手つなぐ？」
A「繋ぎません笑」
佐「ちぇ！じゃ、荷物だけ半分こさせて？」
A「…いいの？」
佐「もちろん♪」
そう言うと、わたしのスーツが入った紙袋を持ってくれる。なお、パーカーは返しました。今スーツのジャケット着てます。
A「家、近いから、送ってくれなくてもよかったのに」
佐「にゃー、それはないわ。ぜってー送ってくし」
A「なんで、大丈夫やぉ？」
佐「んー、だって、今すごく可愛いもん！」
A「へ？」
佐「襲われちゃったら大変だし！うん！大変！」
ふん！と気合いをいれるそぶりの大ちゃん…
佐「お得意の蹴りもさ、そのスカートでは脚が上がりにくいし」
A「…確かに」
佐「ね、靴擦れ、大丈夫？」
A「ん？大丈夫よ？」
そう、さっきからゆっくりゆっくり歩いてくれてる。靴擦れをしているわたしの脚にあわせて、だろう。ほんと優しい…
佐「…ほんとはおんぶしたいけどさ、流石にできないから」
A「…ありがと」
佐「にょ！なにもしてないよ！？」
A「その気持ちが、嬉しい」
佐「そ？へへぇ」
また２人で前を向いて、ゆっくりと、歩く。
優しい。
皆優しい。
そういうとこ、だいすき。
ありがと、みんな
誰にも言えないから
月にこっそり、告げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめ
| 作成日時：2023年8月1日 17時
