●オーラ ページ44
宮「姫、悪いんだけど今日は俺、実家まで送って貰えないかな」
そうだてさんが言い出したのが、今日の昼過ぎ。お迎えに行ったとき。
今日は朝から送迎デーで、ラストがだてさん。迎えに行って、そのまま１日付き添う日になっていた。
わたしは別に構わないから二つ返事でＯＫを出して。で、いま、江戸川区はだてさんのご実家にきております。
A「ここでいいです？」
宮「ありがとう、ちょっと待ってて」
聞けばうっかり自宅宛にして注文してしまった荷物を取りに来たみたいで。送るだけで、帰りは自力で帰ると行ってくれたんだけど、結局事務所に車を返しに行くのに、だてさんちはほぼ通り道だから送っていきますよと告げて。
なので、いま待ってる。
あ、でてきた。
お、女性連れ。
え！やば！オーラやば！まさかあれが噂の…
なんだろう、昔の感覚なのか、あわてて車を降りて姿勢を正す。
母「この方？」
宮「そう。姫、お待たせ。こちら、俺の母親のアズサです」
やっぱり！！
A「こんばんは、涼太さんにはいつもお世話になっております、マネージャーの楠と申します」
母「涼太の母です。……はーん、いい目をしてんね」
A「！！」
宮「ちょ、母さん、やめてよ…」
品定めされる目。
よく見た。
ナメられちゃいけない。目に力を入れて、まっすぐアズサさんを見つめる。
母「…うん、いいね、気に入った」
宮「…母さん…」
母「楠ちゃんだっけ、こんどごはん食べにおいで、アンタとは気が合いそうだ」
A「…ありがとうございます、ぜひ」
母「…いいね」
宮「…はぁ…ほら姫、行こう。じゃ、母さん、また」
母「ん、またな」
ペコッとお辞儀して、車に乗り込む。
とりあえず、合格点をいただいたみたい。よかった。
宮「姫…ごめんね」
A「ん？なにがです？」
宮「母さん…あんな、品定めするような…」
A「大丈夫ですよー！受けて立ちます！」
宮「さすがだね…」
大丈夫、慣れてる。
ナメられなかったならよかった！あそこでナメられたら終わりだからね。
宮「…血をみないでよくてよかったよ」
A「やだなぁ、あんな玄関前でそんなことしませんよ笑」
宮「玄関前じゃなかったらいいのか…」
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作者名：まめ
| 作成日時：2023年5月3日 13時
