●. ページ32
(阿部side)
A「あべちゃあん」
あー、これはなかなかに酔っていらっしゃる…
楡崎さんがタクシーに乗って走り去った瞬間、ふにゃふにゃになった楠さん。急に崩れ落ちるから、慌てて支えた。
A「なんであべちゃんがいるのぉ？」
阿「迎えにきたの」
A「んふふー♡ありがとぉ」
阿「どういたしまして。照もいるよ、ほら」
A「あ、ひかるくーん」
阿「あーあーまって、一緒に行こう」
照の車を確認したらそっちに走っていくものだから…慌てて追いかける。そんな覚束ない足取りで行かれては焦るよ！
そのまま背中を支えながら、照の車の後部座席に乗り込む。
奥の椅子にAさんを座らせる。ここならなんなら寝れるからね。
ペットボトルの水を、キャップを開けて手渡して。ちびちび飲み出したのを確認して、車を出す。
阿「楽しかった？」
A「たのしかったぁ〜♪」
楠さんが酔った時だけ、タメ口で話してくれるのが嬉しい。
岩「すげぇ酒くさい笑」
A「にょ！ごめんなさい！」
岩「いや、いいよ。たくさん飲んだんだ」
A「知らないお酒ばっかでぇ、美味しかったぁ♡」
阿「俺らがいないとこで飲んじゃダメって言ったでしょ？」
A「にれざきさんが、わたしがせきにんとるからのんじゃえって！」
阿「楡崎さん…」
なに言ってくれてんの…
責任とるってどういうつもりで言ったのかわかんないけど。こんなふにゃふにゃになるなんて知らないもんな…
A「阿部ちゃあん、ぎゅー」
阿「お！？おわ！」
岩「あ！いいな！」
突然抱きついてきた！うわ！あったかい！やわらかい！
そのまま顔を俺の首筋にすりよせてくる…猫みたい…
だけど、座ってる俺のうえに座って抱きついてくる、この姿勢は…
阿「ひかる…早めに楠さんの家にお願いします…」
岩「なんで？２周くらいして酔いを少し覚ましてから帰ろうかと思ってたんだけど」
阿「この体勢は…へんな気分になってしまうから…」
岩「…あー…わかった、急ぐ」
A「へんなきぶん？どんなきぶん？」
阿「言えないよ！」
.
もう！
金輪際！
俺らのいないとこで飲んじゃダメ！！！
...end
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作者名：まめ
| 作成日時：2023年5月3日 13時
