○. ページ20
だてさんにまっすぐ見つめられ、こーじくんはなにやら鞄をがさごそ。
いや、隠したはず。うまくごまかせていたはず。
宮「姫も、頭痛でしょう」
A「え、あ、いや…」
向「はい、Aちゃんも水。あとブランケットな！撮影は俺らだけで行ってくるから、薬飲んで寝とき！」
A「あ…いや、そんな…」
なんでバレた？
じつはわたしも朝からずっと頭痛があって。けどどうみても照くんの方が辛そうだからそっちを優先していたんだ。
だけど、うまく隠せていたと思ったんだけどな…
宮「…上手に隠せるようになってきてしまったんだね、最初は気付かなかったんだけど」
向「俺もわからんかった。隠さんでええんやで」
A「…」
宮「姫が、隠すの上手になってきたのと同じように、俺らも気付くのが上手になってきたんだよ」
A「…気付かないでください」
宮「女性の不調に気付けるのは、男にとっては名誉なことなんだけど」
向「とにかく、ほら、薬飲んで。ちょっと寝たら治るらしいやん、寝とき」
こーじくんにブランケット巻かれて、ソファーに寝かされる。
いや、わたしお仕事が…
岩「こーじ、舘さん、行こう。…あ」
あ、ひかるくん来ちゃった。
A「あ、ちがうの、これは……っつっ…」
誤魔化そうと、ガバッとからだを起こすと、襲われる頭痛。
いたぁい…
と。
ぽん
と、頭に手が乗って。そのまま、ソファーに倒される。
岩「痛みはわかるから。さっきまで俺の事たくさん気にしてくれてありがと。もう大丈夫だから、寝てて」
そう言って、優しく頭を撫でられると。
もう、甘えるしかない。
向「じゃ、行ってくるから、寝とるんやで！」
宮「電気消すよ、姫」
岩「おやすみ」
ドアが閉まる音がして。部屋の中が静かになった。
ゆっくりと目を閉じる。
うん、寝よう。
寝て、早く治そう。
早く治して、
また、みんなと笑おう。
...end
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1677人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まめ
| 作成日時：2023年5月3日 13時
