前日の話 ページ8
光陰矢の如し
とは、よく言ったもので。
準備期間なんてあっという間。のんびりしてたらできるはずのものも諦めるしかなくなったりして…
とにもかくにも、工学祭は明日だ。2日間ある学祭と違って、工学祭は1日。展示期間はあれど、発表したり人が動かしたりするのは、1日。その1日に、3年生は全力を注ぎ込む。
そして、私たちも。
来てくれた人を楽しませるのはもちろんだけど。最大ミッション。ひぃくんと大介くんをくっつける。
これができなければ、今回の工学祭は失敗だ。
この時のために、私たちは沢山計画を練り(主に阿部ちゃんが)
沢山準備をし(主にだてさまが)
沢山、2人に働きかけてきた(主にしょっぴーが)
…わたし、なにもしてなくないか
いやいや!わたしはもう、ひぃくんから離れてる動いてるだけで上出来だから!!それが最大のお仕事だから!
あれから色んな友達が話しかけてくれたから、ひとりではなかったけどね。
岩「できた?」
A「できたできた」
岩「ん、じゃ、帰ろ」
私の仕事を終えて、クラスの準備が粗方終わったことを確認して。鞄をつかんで、帰る。
あそこの配線がさー、あそこの位置がーなんて話をしながら帰っていると、急に止まったひぃくんの足。
A「ん?どしたの」
岩「…佐久間」
A「ん?…あっ、ほんとだ、大介くんだ。駅、使うのかな?」
岩「いや、知らない…」
A「…声、かけたら」
岩「うん。佐久間!!」
…こえでけぇわ。耳キーンなったよ…
けどその声に振り向いた大介くんの顔は、すごく嬉しそうだったから。ああ、私達がやってることは間違いじゃなかったんだなって、思う。
岩「佐久間、駅なの、」
佐「そう、○□まで」
A「わたしら○□道だよ、隣の駅だったんだね」
阿「全然知らなかった、2年も会わなかったのすごいね笑」
A「ほんとだね笑」
ひぃくん、わたし、大介くん、阿部ちゃんの順で4人で肩を並べて、田んぼの間を歩く。会話はすごく楽しくて、なんだもっと早く気づけばよかったな、なんて思ったりもした。
ひぃくんが大介くんの隣に…と思ったけど、そこがいいみたい。なんでやねん。
と、ふと見下ろされる視線。顔を上げると、大介くんと目が合う。
A「どしたの?」
佐「…髪、なんで切っちゃったの?」
A「バレエ辞めたし…高電圧試験とか危ないから、ショーとの方がね」
佐「そっか。綺麗だったのに残念」
…なにこのこ、タラシか
120人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
harutomo(プロフ) - 恋の展開に、終始叫びながら読んでました(笑)あぁー、この恋、みんな実ってくれー!! (2023年3月25日 22時) (レス) @page26 id: 00a3796c0a (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - まみりんさん» まさしくその環境を描きたかったんです!存分にニヤニヤしましょー! (2023年3月24日 20時) (レス) id: 5b73301160 (このIDを非表示/違反報告)
まめ(プロフ) - りんごチョコポップコーンさん» コメントありがとうございます!レンメグロ…? (2023年3月24日 20時) (レス) id: 5b73301160 (このIDを非表示/違反報告)
まみりん(プロフ) - パスワードありがとうございました。読んでいて自分目線でいわさく見てるようで楽しかったです。二人とも可愛い!と思いながらニヤついてました。 (2023年3月12日 22時) (レス) @page27 id: 3f67abdb30 (このIDを非表示/違反報告)
りんごチョコポップコーン(プロフ) - 遅くなっちまいました!!甘々ですね、さすがいわさく。さっくんも弱くなってたけど、結局中身はさっくんですね!笑 最後の後輩、もしやレンメグロ…? (2023年3月4日 13時) (レス) @page27 id: 61d7d12311 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まめ | 作成日時:2023年2月17日 12時