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なにもわからない様子の楠さんをじっと見つめていると、小さな口が、言葉を紡ぎだした。
A「あの…わたし何かしました?」
阿「しました」
A「えっと…?」
阿「ノート、見せたでしょう」
A「見せました、けども…」
阿「ショックでした」
A「え?」
阿「俺にも見せてくれなかったでしょ。菅さんには自分から見せてたじゃないですか。ショックでした。」
A「お?」
阿「俺は、背が高いから、だめですか」
昨日のラウールの話。あれには俺も少なからずダメージを受けていた。
俺も、Snow Manの中では背が高いほう。背が高い人が怖いなら、俺も対象。上3人みたいに180越えてはないし、照みたいに威圧感もないつもりをしてるけど、けどやっぱり不安なものは不安なんだよね。
だから…皮肉ってしまった…それにもまた、自己嫌悪…
ぎゅっ
阿「…なにするんですか」
なんか、頭、指で押されたぞ?
A「いや、つむじがあったんで、押してみようかと」
阿「なぜ、つむじ…下痢になったらどうするんですか」
A「医学的根拠は示されていないので大丈夫です」
あ、ハイ。すみません…そこの知識では勝てませんスミマセン。
A「あのですね、背が低い背が高いとか言う問題ではなく。そもそもこのノートは人に見せるようなものではないんですよ、殴り書きの自己満ノートなんですから」
阿「でも菅さんには見せたじゃないですか」
A「もう阿部さんに見られたんで、1人も2人も一緒だと思ったんですよ。だから別に私は宇治原さんに見られたっていいんですよ」
阿「えっ!?それはだめですよ!」
A「えぇー…あっ、阿部さん、時間です。行きましょう」
阿「はーい」
ノートを受け取ろうとする楠さん。でも渡さない。ノートの両端をお互いで掴んで、引っ張りあいの体勢になる。だめだよ、ちゃーんと教えることは、しっかり目をみて教えとかないとね。
阿「じゃあ俺からお願いです。楠さんのノートは俺だけに見せてください」
A「へ!?!?」
阿「約束ですよ?」
わざと、首を傾げてお願いすると顔がほんのり赤くなって…ほら。なにも言えないでしょ?
A「わ…かりました…」
阿「よろしい♪」
.
その後はといえば。
俺は残念ながら宇治原さんより順位が1つ下で、だけど揃って落第。
一緒に落第したんだから順位も一緒!と主張したけど、通らず…ノートは一時だけど、宇治原さんの手に渡ってしまった…
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作者名:まめ | 作成日時:2022年11月1日 21時