Act.32 ページ34
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「あー…あたしが達央に頼んだのよ。碧ちゃんの時もそうだったんだけど、スタジオに行く勇気が出なくて、頼むから握っててくれって。」
迂闊だった。人に見られることももちろん考えていたけど、付き合ってる?という風に見られるのは、あたしはいいとしても達央にはさすがに悪い気がする。
自然にあたしは手を離し誤魔化すように頬をかいた。
達央の何か言いたげな視線を受けたが無視する。
「でも、スタジオは何回も行ってるよね?」
「今日、誰がいるか考えてください。」
「えー…今日から参加するのは麻里奈だけど、…麻里奈に会うのに緊張してってこと!?」
「かわい子ちゃんに会うのは緊張するだろう!?」
ファイナルアンサーなことを言われ思わず大声を出してしまった。
「すまんて…。いやだってあの井上麻里奈さんだよ?無理だって…。図書館戦争大好きです、郁めっちゃ乙女やん可愛い。」
「それは本人に言ってあげてw」
「言えるかなー、胃の物が出そう。」
緊張でまた胃がやばくなってきた。お腹を撫でながらため息をつくと頭を撫でられた。撫でていたのは、なんか不機嫌そうな雰囲気の達央で。
「なんでそんな顔してんの。」
「Aちゃんはいつからそんな鈍感になったのかなー?」
「え、なになにちょいた、グリグリするなー!!髪が!!絡まる!!」
「あーもう!ジャれてないで行くぞ!時間ギリギリになるから!」
「時間なくなったら、達央のせいにするから大丈夫!」
「おい!なんでだよ!」
あ、よかった。いつもの達央になった。さっきのあの、ザワザワする雰囲気は何だったのか、知ってるような気がするけどあたしは知らないフリをした。
「おはようございまーす。」
「あ!前野さんお久しぶりですー!鈴木さんも一緒!?」
「麻里奈ー!うっわマジで久しぶりじゃん!」
「はよーっす。久しぶりー!さっき会ったから一緒に来たんだよ(笑)」
「なんだ、一緒に来たかと思った(笑)あ!Akiraさん!?初めまして、井上麻里奈です!よろしくお願いします!」
天 使 か ( ˘ω˘ )
「天使か」
「おい、心の声www」
「は!あ、初めまして!Akiraです!えと、足引っ張らないように頑張りますので、よろしくお願いします!」
「よろしくお願いしますー!NO NAMEめっちゃ好きで、ファンなんです!あとで、サインお願いしてもいいですか…?」
「サインなんていくらでも!!二人のサインももらってきましょうか!?」
可愛い子の願いは断れない。(頭叩かれた)
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mameiyiteng3(プロフ) - りるとさん» ご指摘ありがとうございます、早速直させていただきます!申し訳ありませんでした。 (2020年2月14日 17時) (レス) id: a55d9f83ab (このIDを非表示/違反報告)
mameiyiteng3(プロフ) - Riさん» 遅くなり申し訳ありません!ご指摘いただきありがとうございます。曜日が確かに間違っていたので、直して掲載しております。申し訳ありませんでした。 (2020年2月14日 17時) (レス) id: a55d9f83ab (このIDを非表示/違反報告)
りると - act33にある宮野さんの名前の漢字なんですけど守じゃなくて真守なので直した方がいいかと思います。とても面白い作品なので楽しんで読んでいます。 (2020年2月14日 0時) (レス) id: 615da3bcde (このIDを非表示/違反報告)
Ri(プロフ) - act.30くらいで夜遊びの曜日なのですが、安元さんと江口さんが出ていらっしゃるのは、火曜日ではなく月曜日ではないでしょうか?お話、とても面白いです。 (2020年1月26日 11時) (レス) id: 6e0fe8bfcb (このIDを非表示/違反報告)
mameiyiteng3(プロフ) - misteriascatさん» ご指摘ありがとうございます。23話を非公開の状態にしていました…。 (2020年1月3日 21時) (レス) id: a55d9f83ab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あきら | 作成日時:2019年12月8日 19時