０番目の奇蹟、２ (ページ9)

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第１０Ｑ-４ページ9

「そんななんでだよ…ですか！オレと黒子が前半までって…」

「理由はまあ、２つ…かな。１つは緑間を倒せるのはお前ら二人と、Aだけだ。もしこの試合に勝ったとして、秀徳に勝つには緑間攻略が必須条件だ。
けど秀徳は予想通り、すでに緑間を温存している。消耗したお前らじゃ勝てない。

この試合、二人がフル出場すれば正邦に勝てる可能性は上がる。が、次の秀徳に勝てる可能性はない。
二人を温存すれば正邦に勝てる可能性は大幅に下がる。
…が、決勝リーグへ行ける可能性が数パーセント残る。」

「いや疲れててもなんとかして…緑間倒してみせますよ！それに、」

「火神、言う通りにシヨ。」

「なっ？」

「ボクは先輩達を信じます。それに大切なのはきっと…、もう１つの理由の方です。」

納得出来てなさそうな火神を見て俺は笑った。

「ソーソ。センパイ達が負けるわけないジャン？ネー、キャプテン？」

「当たり前だろうが。そこで勝利をするのを見ておけ１年ども！」

投げかけにキャプテンもニッと笑って答えてくれた。俺の頭もいつも通りにクシャクシャと撫でて。

「誠凛、メンバーチェンジです！！」

「…ヤバくなったら出ます！」

「４ファウルが何言ってんだ！！任しとけ！」

火神の代わりにコガ先輩が、黒子の代わりにツッチー先輩が入った。

大丈夫。先輩達は絶対に勝つ。

オレた達１年は信じて待つだけだ。

「…二人？１年両方引っ込めてきたか。」

「あーらら！居なくなっちゃったか～。まあちょっと物足りないけど…、いっか！」

笑顔で日向に言う津川だったが、日向は溜息を吐いて言葉を発した。

「最近の１年はどいつもこいつも…。

ガタガタうるせぇぞ茶坊主が。今からお前に先輩への口の利き方教えてやるハゲ。」

クラッチタイムに入った日向が津川を見下して言うと、始まった試合で早速二点を入れた。
先輩たちは必ず勝つ。

「さっきの話聞こえたが、まさか秀徳に勝つつもりとは…ウチも舐められたものだな。」

「ああ、あんなん建前っすよ。もう一つの理由が本音だけど別に大したことじゃないんで。
雪辱戦に一年に頼って勝っても威張れないじゃないすか、……とどのつまり

先輩の意地だよ。」

end