０番目の奇蹟、２ (ページ19)

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第１４Q-１ページ19

「今のままいく…？火神君はともかく…高尾君にはミスディレクションは効かないのよ？大丈夫？」

「大丈夫じゃないです、困りました。」

「うん、そう…てかおい！どーすんだ！」

「けど…できれば第１Ｑ残り３分半。このまま出してもらえないですか。」

何か掴めそうなのかもしれない。まだ具体的には何って作戦はないようだけど、テツにも考えがあるらしい。その言葉の後にタイムアウト終了のブザーと声がかかった。
カントクもこのままでいいのか考えたが、テツと火神に任せてくれるらしく、そのまま続行になった。とは言え、本日２回目の試合にはさすがに体力も危うくなっている。火神とテツは一度温存してたからまだいいけど、先輩たちは段々疲れが見えてきてる。
王者相手にこの体力で大きく離されたら追いつくのがかなり厳しくなる…。
伊月先輩からテツにボールが回りそれをキャプテンに回そうとしたが、一度振り切れたように見せかけてスティールをかける高尾はやはり見えている。

「何やってンダヨ、テツー…！ムキになったらダメだろ…！」

テツが同じミスをするなんてらしくない。
ボールは高尾から緑間へ渡った。緑間は少し下がるとセンターラインに立ち、

「ここからは本気でいく。もっと必死になって守れよ。オレのシュート範囲は、そんな手前じゃないのだよ。」

シュートを撃った。緑間の範囲はハーフコート全てだったのだ。
でも何故だろう、まだ違和感が拭えない。
シュートを撃った緑間はゴール下まで戻って行った。そうなるとあの速攻が使えなくなる。

「ここまで戻れば黒子のパスで後ろをとるなど不可能なのだよ。残念だったな。だが…そもそも関係ないのだよ。オレのシュートは３点、お前達のカウンターは２点。何もしなかったとしても差は開いていく。」

残り３分２秒で８対１４。流れではなく、地力の差が出てきた。
火神にボールが回った時、何かをしようとしている。シュートを撃ったが場所的に３Ｐでアウトサイドシュートだった。火神はそこが苦手だったはずだが自信満々に撃ち外したボールを自分で打ち込んだ。

１人アウリープで見た目は派手だが、ただ体力の無駄使いな気がする。

「あれこそ意味無いんじゃないの…。」

秀徳にボールが回りＣの大坪さんはみと先輩を振り切りゴールを決める。また点を離され１１対１８になった。

「カントク、ナニコレ？」

フィギュアの下半身…？のようなものに見えるけど…