1話 ページ2
ここは翔陽大学附属北部病院、翔北救命センター。
ここには日々、重症患者が、ヘリや救急車で運ばれてくる。
そこに勤務する2人のドクターと、1人のシニアドクターと、フライトナース、そして、3人のフェローと、1人の新人フライトナース。
ここからすべての物語は始まる。
この日はいつも以上にヘリの要請の多い日だった。
朝からヘリ要請が止まず、全員が疲弊しきっており、今日から復帰する緋山も自宅マンションの火事から働き詰めだった。
「あー、もう、信じらんない!!
着替えこれしかないし!家もないし!フェローは役に立たないし!!」
「着替えあとで貸すよ。当直用のジャージ。」
「ありがとう。
てか、どうにかなんないの、あのフェローたち。」
緋山は自宅がなくなった事、着替えがないこと、フェローが役に立たないこと、すべてが相まってイライラが爆発していた。
「仕方ないよ。育てなきゃ。
頑張って育てるから。」
「そういうのあんたの悪い癖だよ。
もっと私たち頼んな。」
「……ありがとう。」
お互いがお互いを支え合いチームワークの出来上がっている彼女たちの中に新しい声が聞こえてくる。
『お邪魔しまーす。』
「A!?まだ救命に来てたの!?」
『あ!みほじゃん!!なに!?戻ってきてくれたの!?うそ!嬉しい!!』
「Aお疲れ様!」
『めぐおつかれー。
今日いっぱい飛んでたねー。疲れてるでしょ?缶だけどコーヒー買ってきたよー。』
「わー。ありがとう。すごく助かる。」
彼女は藍沢A。
精神科に務めるカウンセラーだ。
『てか、みほ戻ってくるんなら言ってよ。コーヒー1つ足んないよ。
ま、いっか。はい、みほ。』
そう言って緋山に手渡されたのは白石に渡したものと同じ缶コーヒー。
「え、これいいの?足りないんじゃなかったの?」
『大丈夫大丈夫。これ本来藤ちゃんの分として買ってきたやつだから。問題ない。』
「さすがだね、Aは。藤川先生の扱いが」
そんなほのぼのした空気をぶち壊す男の声が聞こえ、緋山は眉をひそめた。
「おー!Aじゃん!なになに?コーヒーの差し入れとか持ってきてくれちゃったりしてんの?」
『持ってきてあげちゃったりしてるけど、みほの分が無かったから藤ちゃんのはお預け。
はるは?』
「お前ほんと、俺に対する対応歪みねえな。
はるかはもうすぐ戻ってくるんじゃねーか?」
『なら、はる待っとこう。』
「お疲れ様です。って、あれ?A?」
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マメしば(プロフ) - ♪さん» コメントありがとうございます!!徐々に書き進めていきたいと思います!応援よろしくお願いします!! (2017年9月24日 20時) (レス) id: 40da05096d (このIDを非表示/違反報告)
♪ - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2017年9月24日 18時) (レス) id: cc8e1ca137 (このIDを非表示/違反報告)
マメしば(プロフ) - のん民さん» そうだったんですね…。しっかり確認が大事だなと実感しました。めんどくさいことにならなくて良かったです(((;゚Д゚)))ドキドキ (2017年9月11日 18時) (レス) id: 40da05096d (このIDを非表示/違反報告)
のん民(プロフ) - マメしばさん» オリフラ、しっかり消せてますよ、大丈夫です。気を付けてくださいね。もし削除対象なんかにされてしまうととてもめんどくさい事になってしまうので…(笑)(←経験者) (2017年9月11日 13時) (レス) id: 7d14773f83 (このIDを非表示/違反報告)
マメしば(プロフ) - のん民さん» ご指摘ありがとうございます!!全くの初心者のため、全然気が付きませんでした!!オリジナルタグ消せてると思いますがまだ残っていたり、何か不備等ありましたら、また教えていただけると幸いです。ありがとうございました!! (2017年9月11日 12時) (レス) id: 40da05096d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マメしば | 作成日時:2017年9月9日 18時