【wrwrd!】奪い合い【ut/rbr】 (ページ14)

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| なめんなページ14

side ロボロ

そんな物騒なことを考えつつ、
俺は自室から出た。

怖がらせたままいるのは申し訳ない。
Aにも知る権利はある。
彼女のことだ。俺が怒った原因でも考えているだろう。

リビングに向かい、Aに声をかけようとした。
けれどやめた。

Aはソファに持たれながら寝ていた。
時刻はもう3時過ぎ、寝てしまっても当たり前やな。

俺は寝室から毛布を持ってきてAにかけた。
本当は、そのままの体勢で眠らせてしまうと体が痛くなるだろうが、俺では彼女を運ぶことが出来ないだろう。
きっと起こしてしまう。
幸せそうに眠る彼女は起こせない。

どうか夢だけでも幸せで、

こっちの世界でも幸せになれるよう手伝うから。

そんなことを思いながらまた彼女の頭を撫でる。

愛しい。
こんなにも愛しいのに。

守るつもりではいるが、危険にさらされていることは確か。
こんな目にあわせてしまうなんて、そして完璧に守ってもあげられないなんて。

好きってだけじゃ何にもできないんだよ。

誰かの言葉がよぎる。

そうやな。
好きだって
愛してるって思ったって
俺にはなんも出来ない。
彼女の幸せな夢の時間くらいしか守れない。

どうにかしてやりたいのに。

学生時代にしろ、今にしろ、意気地無しの自分に腹が立つ。
自分がしっかりしていれば、こうはならなかったかもしれないのに。

いや、今更そんなこと考えてどうする。
今は彼女を守ることだけを考えろ。

この家はダメだな。
アイツはこの家を知っている。

何故今来ないのかは分からないけど、
アイツのことだ。何か念入りに準備でもしているのだろう。

ならこの家からははやくたった方がいい。

大先生が俺をまだ意気地無しだと思ってるうちに。

甘く見んなや、大先生。
俺はAのためならなんだってやるからな。
Aは絶対に俺の手で幸せにする。
お前とAのえがく未来は永遠にこさせない。
お前が最初に捨てたんだ。
その事を俺と同じように嘆けばいい。

Aの夢は俺が叶える。
残念やったな大先生、
俺の家にAがおる時点で
俺は絶対負けへんで。

遠き日の友人に最大級の敵意を込めて、思いを馳せる。

Aが近くにおるんやで？
負ける気なんてせぇへんし、
元気の源になるし、
力なんて無限に出てくるわ。

どんな汚い手でも使ってみろ。

俺は絶対に挫けへんから。

決意を固め、俺はリビングから出ていく

『お休みA。良い夢を』

パチリと音を立てて、俺はリビングの電気を消した。