残酷な現実 ページ47
ナオトは静かに小さな涙を落とした。
OM「知ってるよ…。」
責めてんだろ…
あの日…
俺が美波に別れを告げさえしなければ…
あいつは旅行に行くことも無くて…
ナオトさんは…
美波を抱きしめることが出来たはずだった…
あの日からずっと…
ナオトさんは俺を責めてる…
そんな事くらい分かってんだよ…
手で払う涙。
ズボンのポケットに手を突っ込んで顔を上げる。
NA「そんな事だけなら…どんなに幸せだったか…。」
臣ちゃんのせいにして…
全て片付くなら…
こんなラクなことは無かったのにな…
OM「なんだよ…それ…。」
どんなに…
臣ちゃんを責めても…
美波はもう還らない…
でも…
無かったことにしてしまうには…
あまりに残酷すぎる…
だから…
誓った…
死んでも尚一人にはしない…
俺がちゃんと…
墓まで持ってってやるから…
葬儀で泣きもしなかったAを見た数日後。
ナオトは一人。
救急搬送された病院に来ていた。
その日は穏やかで、すぐに当時の担当医に会うことが出来た。
※「驚いたね(笑)三代目とは。」
ナオトを見て、素直に嬉しそうな顔をしていた。
話してくれた…
当時のことを…
現場は凄惨で…
運ばれてきた美波からは…
目を背けたくなったと…
※「妹さんは…大丈夫かな…？」
NA「気丈に…しています…。」
※「そう…。事故とはいえ…いきなり家族全員の遺体を引き取るのは…辛かったと思う…。」
NA「そうですね…。」
※「あ…それと…つかぬ事を聞くんだが…。」
NA「はい…？」
※「わざわざ訪ねてくると言うことは…キミは美波さんとお付き合いを…？」
一瞬悩む。
それでも。
NA「はい…。」
そう答えた。
※「妹さんに話すにはあまりに残酷だと思ってね…。」
美波のカルテを開くとポラのような写真をナオトに差し出した。
NA「あの…これは…？」
※「まだ…本人も自覚はなかったとは思うが…。なんせ小さ過ぎてね…。」
NA「なんの…話ですか…？」
※「二ヶ月に入ろうと言う頃だったよ…。」
NA「二ヶ月…？」
※「美波さんは…妊娠してた…。」
妊…娠……？
美波が…？
※「お父さんに話せて良かった…。」
お父さん…？
白黒の写真の真ん中に小さな物体。
思わず指先で撫でた。
ジッと見つめるナオトの頬を伝う涙。
美波の…子…
顔を写真に押し当てる。
どう頑張っても堪えきれない感情。
溢れ出るがまま、ナオトは泣き続けた。
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ゆい(プロフ) - 更新お疲れ様です！ヤバいです！壱馬がどんどん動き出しててドキドキしてます！ (2019年5月28日 1時) (
レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» わーごめんなさい！段々物語が動いていくので楽しみにしててくださいね！ (2019年5月25日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - いいとこで終わってしまいました（涙）続きが気になります(〃ω〃) (2019年5月24日 23時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» 二人とも諦めちゃダメ！って思いながら書いてます。いつも読んでくれてありがとう。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» 強引ですけど、ホントに好きな人からのサプライズだったらこんな嬉しいことはないんですけどね。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年5月17日 20時
