可愛いリング ページ17
都内とは思えない緑豊かな場所。
タクシーから降りる臣。
付いて行くAが腕に抱えている花束。
「どうしたんですか…？」
OM「ん？何が？」
「急にお墓参りなんて…。」
黒スーツの訳。
迷うことなく進んでいく先に、小さな墓石。
並んで足を止める二人は少し驚いた。
汚れていない墓石。
その袂にある、可愛らしい花束。
OM「最近来たの…？」
「いえ…。私じゃありません…。」
OM「じゃあ…誰が…。」
「間違えた…とかじゃないですよね…？」
OM「名前が掘ってあるし…そもそも墓を間違えたりするか…？」
「ですよね…。」
Aは腕の花束を、既に置かれている花束の横にそっと手向けた。
「久しぶりで…ごめんね…。」
そう言って手を合わせる。
立ち上がって臣と並んだ。
OM「もう…5年か…。早いな…。」
「うん…。」
ズボンのポケットに突っ込んでいた手。
引っこ抜いて背を伸ばす。
OM「今日は…見てて貰いたくて来ました。」
改まる臣に首を傾げる。
「臣さん？」
身体をAに向き直らせた。
OM「A…。」
キョトンとする顔を真っ直ぐ見つめる。
OM「お前を長いこと見て来た…。」
どんどん綺麗になっていくお前を…
一番傍で…
OM「俺がこんな言葉を口にするなんて思ってなかったけど…Aと出会えたことは…運命だと思ってる…。」
勝手に鳴り出す鼓動。
なんだよ…
この俺が…
緊張してる…？
冗談だろ…
フウッと息を軽く吐いた。
OM「これから先…いつまで三代目でいられるか分からない…けど…。」
Aの前で膝をついた。
「お、臣さん…？」
OM「傍に…いて欲しい…。」
ポケットの中の小さな箱。
蓋を開けて中身を摘んだ。
そっと取る。
小さな手。
OM「A……。キミを愛してる…。」
細い左手の薬指。
スッとおさまるのは可愛いリング。
OM「俺と……結婚して下さい…。」
驚きと戸惑いの色に染まる瞳。
白い手の甲に押し当てる唇。
OM「俺には…Aが必要だ…。」
瞬きしないのに落ちた涙。
立ち上がる臣は、その涙を拭う。
OM「泣くな…(笑)」
「この為に…ここに…？」
OM「大事な事を、報告しない訳には行かないだろ？」
見上げる臣の優しい微笑み。
OM「必ず…幸せにする…。誓うよ…。」
そっと抱きしめる。
細い身体。
愛してる…
そう囁くと、臣はAにしっかり重なるキスを落とした。
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ゆい(プロフ) - 更新お疲れ様です！ヤバいです！壱馬がどんどん動き出しててドキドキしてます！ (2019年5月28日 1時) (
レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» わーごめんなさい！段々物語が動いていくので楽しみにしててくださいね！ (2019年5月25日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - いいとこで終わってしまいました（涙）続きが気になります(〃ω〃) (2019年5月24日 23時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» 二人とも諦めちゃダメ！って思いながら書いてます。いつも読んでくれてありがとう。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» 強引ですけど、ホントに好きな人からのサプライズだったらこんな嬉しいことはないんですけどね。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年5月17日 20時
