先輩の婚約者 ページ32
ジャラジャラと指先で弄ぶ。
家の鍵が付いたキーホルダー。
扉が大きく開かれると、振り返る壱馬はニッと笑う。
KZ「入れよ。」
「あの…ここは…？」
KZ「俺んち。」
「えっ…。」
KZ「今夜はあそこに帰れないっしょ？かと言って、夜通しフラフラする訳にもいかないしさ。」
きちんと揃えられた靴。
少し戸惑った顔で玄関に足を踏み入れた。
KZ「散らかってるけど。我慢して。」
奥に入っていく壱馬。
「お邪魔…します…。」
ギシッ…と床の軋む音。
MK「あ、壱馬さん。お帰りなさい。どこ行ってたんすか？」
リビングの扉の前で振り返る。
MK「誰かいるんですか？」
暗がりからゆっくり現れる人影。
それが見たことも無い女性で驚いた顔。
それはAも同じだった。
「あの…壱馬くん…？」
KZ「あ、メンバーの長谷川慎。一緒に暮らしてんだ。」
「そうなんだ…。すみません…突然お邪魔して…。」
MK「あ…いえ……。」
小さな会釈。
慎は壱馬の腕を引っ張った。
MK「ちょっとちょっと…誰っすか…？」
KZ「A。」
MK「A…？」
ん？と感じる違和感。
MK「Aって…どっかで…。」
その疑問はすぐに解決した。
ハッとして壱馬を見る。
MK「思い出した！登坂さんの！」
KZ「うん。ちょっと色々あってさ、一晩泊めるから。」
あっけらかんと言い放つ。
MK「泊めるって…まずくないっすか…？先輩の婚約者っすよ…？」
KZ「仕方ないじゃん。あいつんち、報道陣だらけで帰れないんだから。」
MK「え…。」
どうしていいか分からなくて、突っ立ったまま。
KZ「そんなとこ立ってないで、中入れって。」
「でも…。」
KZ「いいから。」
グイッと引っ張られた腕。
ソファに脱ぎ散らかした服を、慌てて腕に抱える誠。
KZ「コーヒーかなんか飲む？」
「ううん…。大丈夫…。ありがとう…。」
ソファの隅にちょこんと座った。
KZ「シャワーとかトイレはあっちだから、好きに使って。あ、そのカッコじゃなんだな。ちょっと待って。着るもん取ってくるわ。」
「あの…ホントに大丈夫だから…。」
Aの声も聞かない壱馬。
自分の部屋に入ると、暫くしてきちんと畳まれたスウェットを持って来た。
KZ「これ。あんたにはデカいだろうけど、そんなカッコでいるよかマシだろ？」
少し強引に、Aの腕に抱えさせた服。
臣と同じ匂いがしていた。
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ゆい(プロフ) - 更新お疲れ様です！ヤバいです！壱馬がどんどん動き出しててドキドキしてます！ (2019年5月28日 1時) (
レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» わーごめんなさい！段々物語が動いていくので楽しみにしててくださいね！ (2019年5月25日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - いいとこで終わってしまいました（涙）続きが気になります(〃ω〃) (2019年5月24日 23時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» 二人とも諦めちゃダメ！って思いながら書いてます。いつも読んでくれてありがとう。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» 強引ですけど、ホントに好きな人からのサプライズだったらこんな嬉しいことはないんですけどね。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年5月17日 20時
