テレビに映る影 ページ15
静かなリビング。
Aはソファにストンと腰を落とした。
火照る唇を指先で撫でた。
壱馬くんのキスは…
いつも強引…
"偽らない俺でいたい…ただの男で…"
「偽らない私……。」
ホントの…
私…
消えたテレビに映り込む自分の姿。
ジッと見つめる。
「………お姉…ちゃん？」
"A…"
薄らとテレビの中に存在している。
こちらを見つめ返す視線。
"話したいことがあるの…"
「話し…たいこと…？」
"私…臣の………"
「え…？何…？よく聞こえない…。」
"臣の……だから…結婚………"
途切れ途切れの言葉。
段々とハッキリしていくような気がする。
テレビに映る自分。
"渡さな……あんたには……"
突然。
テレビの中から手が伸びてくる錯覚。
思わず。
ギュッと目を閉じて身体を丸めた。
しかし。
何も起こるはずもない。
恐る恐るテレビに向けた視線。
今のは…
何だったの…？
何事もなく、自分の姿を薄らと映していた。
ピンポーン…
いきなり響いたインターホン。
ビクッと身体を揺らす。
立ち上がって向かう玄関の扉。
静かに開けた。
OM「A。おはよう。」
「臣さん…。その…格好は……。」
ニッコリ微笑む。
OM「Aこそ、まだ着替えてないの？」
「え……。」
OM「行きたいところあるから一緒にってLINEしたけど、見てないの？」
「あっ…ごめんなさい…。こんなに早くとは思わなくて…。すぐ支度します…。」
翻す身体。
そっと引き留められた腕。
OM「まだ辛いの…？」
「え？」
OM「顔色が悪い…。」
「だ、大丈夫です…。なんか…変な夢見て…。」
OM「夢？どんな？」
「あー……よく…覚えてませんけど…。」
取り繕うように笑ってみせる。
「上がってください。急いで着替えますから。」
先にバタバタと中に戻って行く。
その足音を聞きながら、玄関を見回した。
この匂い…
誰の匂いだ…？
軽く鼻をすする。
俺の周りにこんな匂いのヤツはいない…
けど女じゃない…
スーツのポケットに手を突っ込む。
指先に当たる感触を確かめた。
もう…
少しの猶予もないな…
「臣さん！コーヒ入れます！？」
リビングから大きな声。
OM「自分でやるから。」
「でも…。」
OM「いいから、早く。」
ポンと小さな背中を押す。
ブラウスにルームウェアなんていう格好に、クスッと笑った。
俺は…
お前を手放す訳には…
いかないんだ…
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ゆい(プロフ) - 更新お疲れ様です！ヤバいです！壱馬がどんどん動き出しててドキドキしてます！ (2019年5月28日 1時) (
レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» わーごめんなさい！段々物語が動いていくので楽しみにしててくださいね！ (2019年5月25日 8時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - いいとこで終わってしまいました（涙）続きが気になります(〃ω〃) (2019年5月24日 23時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - ゆいさん» 二人とも諦めちゃダメ！って思いながら書いてます。いつも読んでくれてありがとう。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - りなgさん» 強引ですけど、ホントに好きな人からのサプライズだったらこんな嬉しいことはないんですけどね。 (2019年5月23日 6時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年5月17日 20時
