願い事 ページ48
AL「渡しといて…。」
RO「自分で渡せばいいじゃん。」
AL「何となく…会いにくくてさ…。」
苦笑いする亜嵐。
亜嵐くんが…
女の子に会いにくいなんて…
初めて聞いた…
どんなにトゲのある別れ方をしても…
次の日には…
ケロッとしてるのに…
AL「頼むよ…(笑)」
玲於はそっと袋を受け取る。
RO「じゃあ、預かるよ。」
これが変化…
小さな変化だけど…
亜嵐くんが…
Aを好きだという証拠なんだ…
玲於は微笑んだ。
RU「ちょい待てや。」
RO「何？」
RY「だったら俺も…。」
みんなして一斉にカバンを探り始める。
RO「ちょっ…もしかして…。」
バッと玲於の目の前に出された。
亜嵐のと同じような袋。
MD「渡しといて。」
YT「頼んだ。」
玲於はポカンと口を開ける。
RO「もうさ、一緒に行こうよ…。」
RU「アホ！こんなん恥ずかしくて、よう渡されんやろ…。」
RY「買ったはいいけど、タイミングが分かんなかったんだ。だからね？」
受け取ってくれない玲於の腕に押し付ける。
HT「お願いねー。」
RY「よろしく伝えて。」
RU「ほなー！」
玲於に手を振ってゾロゾロ歩いて行く。
今にもこぼれそうな袋たち。
どいつもこいつも…
乏しい思考力だな…
同じもん買いやがって…
ジャケットのポケットから取り出す。
もう一つ。
同じような大きさの袋。
願うことは同じ…
これしかないんだ…
みんなの背中を見て、玲於は小さく笑った。
病院のロビーは外来が引き始めていた。
こんにちわ、と声をかけてくる看護師に頭を下げる。
ウィーン…と音を立てるICUの扉。
中に入ると、いつもの静寂とは違う空気が流れていた。
※DC「まだ許可は出てないんだよ？」
中を伺えば、パジャマから私服に変わっていたA。
周囲の小物をカバンに押し込んでいた。
※DC「Aちゃん、俺の話をちゃんと…。」
RO「どうしたんですか…？」
一斉に視線を集めた玲於。
※DC「あぁ…いい所に…。この分からず屋を止めてもらえないかな…。」
RO「え？」
※DC「退院の許可も出てないのに帰ると聞かなくて…。」
「もう落ち着いたもの。」
※DC「だから…そういう問題じゃ…。」
医者はAの肩を掴んで自分に向き直らせる。
小さなAになるべく目線を合わせた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 163人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りな(プロフ) - もどかし過ぎて辛いです(泣)何が正解なのか…。龍友くん何をする気なんだろう… (2018年11月15日 0時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mamario | 作成日時：2018年11月14日 20時
