心の中 ページ5
SI「あなた…。本気なの…？」
嫌な笑いをたてるAはゆっくり立ち上がる。
「冗談でこんなこと言えないよ…。」
SI「だって…。じゃあ…佐野くんはっ！？」
顔を上げて栞を見る。
「お姉ちゃん。やっと解放してあげられる。」
SI「え…。」
「お姉ちゃんもいい歳なんだから、いつまでも妹に縛られてないで結婚とか考えなきゃ。」
SI「A…。まさか、その為に…？」
ガバッと肩を掴んだ。
SI「私の為だって言うの！？だったら考え直しなさいっ！？私はっ！」
「お姉ちゃん！」
遮る声。
「もう決めたの…。」
か弱く微笑んだ。
「病気でもいいなんて、変わってる(笑)そんな風に言ってくれる人、これから先現れないよ。」
SI「だからって…。」
私が結婚すれば…
玲於くんは新しい恋を探せる…
いつか…
いなくなってしまう女じゃなくて…
歳をとって…
しわくちゃになっても…
一緒にいられる人と…
幸せに…
頭に流れたあのコマーシャル。
意としないのにポロッとこぼれた涙。
慌てて拭った。
「着替えなきゃ。また病院行くの。亜嵐くんが、先の話しようって。」
自分の部屋に入ってパタンと扉を閉めた。
ズルズルと扉を伝って座り込む。
膝を抱えて顔をうずめた。
切れた電話をゆっくり下ろして病室に戻る玲於。
RO「A…。やっぱり来たんだね…。」
窓の外に視線を投げていた亜嵐。
口元を緩める。
AL「分かってるんだ…。」
RO「え…何を…？」
AL「Aの心の中には、俺じゃなくてお前がいるって…。」
それでも…
譲れないもんがある…
亜嵐はゆっくり玲於を見た。
AL「お前はどうする…？」
RO「どうするって…。」
AL「俺から…Aを奪ってくか…？」
RO「……そんな事しない。」
AL「だったら…惚れた女…俺に渡すのか…？」
RO「Aがそうするって言うんだ…。亜嵐くんも、Aもそれでいいなら俺は…。」
ベッドに身体を預けた。
AL「一つ…聞いておきたいことがあるんだ…。」
RO「……何？」
AL「お前…Aとどこまで行ってる…？」
RO「どこまでって…？」
AL「もっと平たく言うか？」
RO「意味が分かんない…。」
小さなため息。
AL「じゃあ、簡潔に。Aと寝たか？」
あまりに包み隠さない表現。
AL「俺の嫁になる女、抱いたか？」
RO「……答えたくない。」
そう言って俯く玲於。
亜嵐には、それだけで充分だった。
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りな(プロフ) - もどかし過ぎて辛いです(泣)何が正解なのか…。龍友くん何をする気なんだろう… (2018年11月15日 0時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年11月14日 20時
