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怖い顔 ページ38

帰るに帰れなくて、ロビーで重なり合って寝てしまっていた他のメンバー。

龍友の腕には泣き疲れた栞。

病院はまだ眠の中。


玲於は顔を歪めた。


RO「なんで…そんな事言うんだよ…。」


浅い呼吸なのに取るマスク。


「……私の…ところに来た…の。」

RO「……萌ちゃんが…?」


コクリと頷いた。

頭の中に引っかかっていたものが、形を成していく。


「全部……教えてくれた…。」

RO「教えて…?何言われた…?」


首を倒せば、虚ろな視線が玲於を見た。


「もっと早く……言って…欲しかった…。」

RO「だから…何言われたんだよっ!」


珍しく大きくした声。


「………玲於。」

RO「え……。」

「ごめん…ね…。」

RO「………なんでだよ…なんのごめんだよっ!?」


弱々しい笑み。


「もう……行って…。」

RO「待てよ……全然分かんねぇよ!」


マスクを顔に引っ張り戻す。

喋ることが辛そうに呼吸を繰り返す。

自分で手を伸ばして押すナースコール。


看護師が一人。

Aが目覚めたことを知ると、次から次へとやって来た。


身体を翻す玲於はICUから出ていく。

ロビーで眠るみんなの横を、怖い顔で通り過ぎる。


その時。

ちょうど目を覚ました隼。


HT「玲於…?どこ行くの…?」


振り向きもせず、答えもせず、病院から出ていく玲於を、硬い椅子で眠ったせいで軋む身体にムチ打って追いかけた。


HT「玲於!待ってよ、玲於!」


掴んだ腕。


HT「どこ行くの?Aちゃんは…?」

RO「目覚めたよ…。」

HT「ホントに!?良かった…。みんなを起こさないと!」

RO「隼…。」

HT「何…?そんな怖い顔して…。」

RO「頼まれてくれないか…?」

HT「え?」

RO「Aから…萌に何を言われたか聞いてほしい…。」

HT「何を言われたかって…やっぱり!?」

RO「間違いない…。」

HT「玲於は…?どうすんの!?」

RO「俺は直接、聞きに行く…。」

HT「ぼ、僕も行くよ!一人じゃさ…。」

RO「隼!」


懇願するような玲於の顔。


RO「Aは…きっと俺には話さない…。だから頼む…。上手く聞き出して欲しい…。」

HT「変なこと…しない…?」

RO「なんだそれ…しないよ。」

HT「約束する…?ちゃんと…Aちゃんのとこに帰ってきてくれるって…。」


玲於は微笑んだ。


RO「バカ。当たり前だろ。」

HT「…分かった。」

RO「連絡してくれ。」


頷く隼に手を振ると止まっていたタクシーに乗り込んだ。

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設定タグ:GENERATIONS , 佐野玲於 , EXILETRIBE   
作品ジャンル:恋愛
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りな(プロフ) - もどかし過ぎて辛いです(泣)何が正解なのか…。龍友くん何をする気なんだろう… (2018年11月15日 0時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mamario | 作成日時:2018年11月14日 20時

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