深夜 ページ30
深夜。
玲於が戻って来たのは、日付が変わってからだった。
真っ暗な部屋。
明かりを付けてリビングに上がり込む。
カバンと帽子を放ると、キッチンで水を飲んだ。
ピンポーン！
ドンドンドン！
インターホンの直後に扉を叩く音。
RO「な…なんだ？」
ピンポン！
ピンポーン！！
立て続けに何度も。
慌てて玄関に向かう玲於。
ガチャッと扉を開くと、外から勢いよくかっさらわれる感じ。
SI「佐野くん！？」
RO「栞さん？」
血相を変えた栞。
RO「ど、どうしたんですか…？そんなに慌てて…。」
SI「A…来てない…？」
RO「え？いや、俺も今帰って来て…。」
SI「そう…。ごめんなさい…遅くに騒いで…。」
抑えられていた扉が軽くなる。
去ろうとする栞の腕を掴んだ。
RO「待ってください。A、帰ってないんですか…？」
SI「夕方…。」
お姉ちゃん？
今商店街にいるんだけど、
なんか買ってきて欲しいものある？
あっ！
ねぇ聞いてよ。
玲於くんがね、クリスマスパーティーしようって。
みんなで！
お姉ちゃんも誘って！
もう嬉しくて！
凄い楽しみ！！
楽しそうな声を出して、連絡して来た…
SI「でも帰らないの…。何度も電話してるのに全然出なくて…。」
栞は今にも泣きそうな顔で、玲於の腕をガシッと掴んだ。
SI「あの子…どこかで倒れてるんじゃっ！？」
玲於は栞の手を握り直す。
RO「探してみます。心当たりは？今日はどこ行きました？」
SI「大学に…。海外の…凄い楽団から卒業後ウチで弾かないかってスカウトされたって…。その話をしに行くって…。」
え…
海外…？
なんだよそれ…
初耳なんだけど…
RO「A……卒業したら…海外に行くんですか…？」
SI「病気のせいで飛行機に乗れないの…。だから医者に相談してみるって……。もしかして…聞いてなかったの…？」
聞いてねぇよ…
卒業したら…
抱きしめられもしないとこに行くなんて…
同様丸出しの玲於。
SI「佐野くん…？」
栞の声でハッと我に返った。
RO「とにかく…探します…。」
バタバタと部屋の中に入って、携帯と財布をズボンのポケットに押し込む。
帽子を深く被った。
RO「帰ってくるかもしれないから、栞さんはウチにいてください。」
不安そうな顔でコクコク頷く。
栞をそこに残したままエレベーターに乗ると、マンションを飛び出した。
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りな(プロフ) - もどかし過ぎて辛いです(泣)何が正解なのか…。龍友くん何をする気なんだろう… (2018年11月15日 0時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年11月14日 20時
