また、アシタ… 3 (ページ26)

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白昼堂々ページ26

RO「さて。」

店を出た二人。

玲於は身体を伸ばす。

「あの…玲於くん…。」

RO「何？」

「その…大事にしなくても…。」

RO「大事？何が？」

「コンクールの衣装…。」

RO「大事にしてないよ。俺、いつもnigoさんには相談に乗ってもらってる。洋服のこともそうだけど、仕事のことも。」

「女性関係も？」

少し意地悪く聞いた。

RO「まぁ…無いとは言わないけどさ…。俺にだって、彼女がいた事くらいあるし…。」

「ふーん…。あるんだ…。」

RO「なんだよ。妬いてんの？(笑)」

「別に妬いてません。」

プイッと顔をそむけた。

RO「何その顔。可愛いんだけど(笑)」

「可愛い顔してないんだけど。」

RO「今の話じゃ無いんだしさ、そんな怒ることないじゃん。」

「怒ってません。」

RO「怒ってんじゃんよ。」

玲於の前をスタスタ歩く足が止まる。

「怒ってないってば……！？」

振り返るAにフッと被さる影。

たくましい腕の感触が細い身体を抱きしめた。

RO「妬かれるのも…たまには悪くない…。」

「……妬いてないって言ってるでしょ…。」

RO「嘘つき(笑)」

フワッと鼻をくすぐる甘い匂い。

この匂い…

Aだって実感出来る…

RO「いい匂いがする。」

「え…。」

腕の中で見上げた。

RO「変な事言った？」

「なんか…変態っぽい…。」

少しムスッとして離す腕。

RO「あーそうかよ。」

今度は玲於がプイッと歩き出した。

「怒った？」

RO「怒ってない。」

クスッと笑う声。

「怒ってる(笑)」

RO「怒ってないって言ってんだろ。」

「玲於くんが怒っても全然怖くない(笑)」

足を止めて振り返る。

RO「はっ？俺だって怒る時は怒るんだよっ！」

「はいはい(笑)」

クスクスと笑いながら通り過ぎる玲於の横。

RO「もう頭来た。俺が本気で怒ったら怖いってとこ見せてやる！」

伸びた手が細腕を掴む。

グイッと力強く引き寄せた。

フラッともつれた足。

「えっ、わっ…。」

もう片方の腕が腰をしっかり抱きとめる。

Aが次を認識するより早く、重ねられていた。

んっ…

人通りのない路地。

白昼堂々のキス。

静かに離れると驚いた顔のAを見つめる。

RO「怒らせたら怖いんだからな…。覚えとけ…。」

小さくコクンと頷くA。

それを見て玲於は優しく微笑んだ。