大切な人 ページ25
店からAを連れ出した玲於。
「ちょっと…。どうしたの？」
掴んでいた腕を離した。
RO「あのさ。」
「何…？」
玲於はAの小さな手を握る。
RO「ちょっと一緒に来て。」
「えっ…。ちょっ…玲於くん！？」
人混みの中をスイスイ縫って大通りでタクシーを止めた。
RO「乗って。」
「ねぇ…なんなの…？」
RO「いいから。」
タクシーにAを押し込む。
RO「中目黒まで。」
そう告げると車は走り出す。
「玲於くん…？」
握った手をそのままに、玲於はAに身体を向けた。
RO「まだ時間あるんだよな？」
「え…ええ…。」
RO「じゃあ、俺に任せてくれない？」
「え？」
RO「最後のコンクールなんだからさ。あんな…その、どこにでもあるようなのじゃなくてさ…。」
キミの為の…
最高のドレス…
誰よりも輝いて…
誰よりも美しい…
RO「俺が用意する。」
戸惑った顔のA。
「でも……そんなにお金払えないし…それに、そんなに目立たなくても…。」
RO「何言ってんの。衣装って大事なんだよ？」
こういう仕事をしてるから分かる…
俺たちは…
言わば着せ替え人形…
衣装一つで印象は変わる…
RO「とにかく。ひとまず俺に預からせて？ね？」
「う、うん…。」
RO「よし。じゃあそうと決まれば。」
玲於はワクワクした顔をしていた。
タクシーは中目黒にある、こじんまりとした店の前で止まる。
RO「さ。」
促されて中に入れば、洋服や小物が並んでいた。
RO「今日はいるはずなんだ。」
※nigo「玲於。」
RO「nigoさん。」
※nigo「今日はオフか？」
RO「はい。あの、ちょっと相談が。」
店の中で眺めるAの携帯。
RO「見てきたんですけど、どれも似たりよったりで…。」
※nigo「こういう類は専門外なんだけど、まぁ、知り合いがいなくもないから。」
RO「ありがとうございます(笑)」
※nigo「それにしても、可愛いお嬢さんだね。彼女か？(笑)」
顔を見合わせるAと玲於。
「あ…いえ…。」
そう言いかけたAの言葉に割って入る。
RO「そうです。」
※nigo「やっぱりお前は、派手な子より、大人しい感じの子が似合うよ。」
俺の大切な人が…
俺の大好きな人を褒める…
こんなに幸せなことはないよ…
照れくさそうに鼻を擦った。
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りな(プロフ) - もどかし過ぎて辛いです(泣)何が正解なのか…。龍友くん何をする気なんだろう… (2018年11月15日 0時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年11月14日 20時
