描く未来 ページ39
RO「あー美味かった！ごちそうさま。」
手を合わせて何も無くなった皿をまとめた。
「置いといて。後で片付けるから。」
RO「俺だって皿くらい片付けられる。」
そう言って立ち上がると、キッチンに入る。
水を出して、スポンジに食器用洗剤を垂らした。
「いいよ。私やるから。」
慌ててキッチンに入ってくA。
RO「出来るって。」
「いいってばっ！」
RO「なんで？」
「そんな事させらんないのっ！」
玲於からスポンジを取り上げたいのに、ガンとして渡してくれない。
「もうっ！貸して！」
RO「やるって言ったらやるんだよ！」
「やらなくていいって言ったらやらなくていいの！」
このまま…
この心が求めるがまま進んだら…
その先にあるのは…
悲しみか…？
それとも…
RO「この、頑固者！」
「それは玲於くんでしょ！？」
ようやくスポンジを奪うA。
玲於の隣で皿を洗い出す。
俺とよく似たキミ…
一緒にいたら…
きっとこんな事はしょっちゅうで…
喧嘩ばっかで…
どっちも引かなくて…
皿を洗い終わると、キュッと蛇口を捻った。
なぁ…
教えてくれないか…？
この気持ちは…
この…
胸が熱くなるような感じは…
何…？
RO「……A。」
「……えっ。」
呼び捨てられた名前。
驚いた顔を持ち上げた瞬間だった。
フワッとコロンの匂いに包まれた後。
そっと重なった唇の感触。
………な…に……？
状況を飲み込めないまま。
目を閉じることも出来ないまま。
ただ固まるしかないA。
息つくのも忘れて、止まった二人の時間。
チュッ…
と可愛いリップ音が現実に引き戻す。
目を開いたままのAに、苦笑いする玲於。
RO「目ぐらい閉じろよ…(笑)」
瞬きもしないのに、ホロッとこぼれ落ちた涙が一粒。
RO「…なんで…泣くの…？」
「……分かん…ない…。」
RO「……嫌…だった…？」
戸惑う視線がゆっくり落ちる。
「……分かんない。」
俺にしてやれることなんか…
たかが知れてる…
だけど…
どんなに今が辛くても…
たどり着く未来を描くなら…
ハッピーエンドがいい…
俺はキミの…
そういう存在になりたい…
指先で拭う涙。
RO「……A…。」
大きな手で包む頬。
ゆっくりと、静かに顔を寄せると、さっきより、ずっとしっかり重なるキスを落とす。
それに応えるように、小さな手は玲於の服をギュッと握り締めた。
好き…
だよ…
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mamari(プロフ) - りなさん» 以前も読みに来てくれてましたよね。ありがとうございます！ (2018年10月25日 18時) (
レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - やっと付き合えた！って思ったのに...。どんな風になっていくのか気になってしょうがないです（笑） (2018年10月25日 2時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年10月13日 19時
