写真 ページ15
？「どうぞ。」
RO「ありがとうございます…。」
テーブルの上に置かれたマグからは湯気。
？「改めてお礼を言わせて？送ってくれて本当にありがとう。私はあの子の姉で、立花栞です。」
RO「あ…佐野玲於…です。」
SI「知ってます(笑)」
玲於が椅子に腰を下ろすと、栞もゆっくり座った。
RO「あの、さっきの写真…。」
SI「あなたは、もう覚えてないわよね(笑)」
RO「武者修行の時のですよね…？」
SI「あの子、あなたのこと大好きなの。ショッピングモールで踊ってるあなたを見に行って、撮ってもらった写真よ。」
RO「そんなこと…あったっけな…？」
悩むような顔のあと、ハッと頭を上げた。
RO「もしかして、俺が住んでるって知ってたんですか…？」
SI「もちろん(笑)あ、でも勘違いしないで。越してきたのは、あなたよりずっと前。」
マグを口に運んで両手で包んだ。
RO「俺が住んでるのを知ってたのに、声かけられた事ない…。」
SI「それはそうよ(笑)マンションの決まりなの。このマンション、時々芸能人住むから。ジャニーズの子もいたことあるし、あ、韓国の子も住んでたわよ。」
戸惑った顔から抜か出せない玲於。
SI「このマンションじゃ、珍しくないの。でも、あなたが越してきたって知った時、あの子とても喜んでたわ。」
コトッとマグを置く。
SI「でも、あの子が泥酔して帰ってくるなんて。」
RO「凄いピッチで飲んでて…。」
SI「コンクール…上手くいかなかったのかしらね…。」
RO「コンクール…？」
SI「ピアノのコンクール。この間選考会があったはずなの。あの子、コンクールのクイーンなんて呼ばれて、毎年必ずトロフィー持ってくるのよ(笑)」
ピアノなんかもう弾かない…
悲しい寝言が頭を過ぎる。
俺のことを知ってたのに…
初めて会ったみたいな顔だった…
マンションの決まりだから…？
キミと距離が縮まったのは…
ただの偶然…
それに…
コンクールの女王なんて言われてるのに…
弾きたくないなんて…
SI「佐野くん。あなたはあの子にとって生きる希望なの。」
RO「生きる…希望…？」
SI「でも、それを押し付けたりしない。今回の事に大意がある訳じゃないわ。許してあげて？」
玲於は物音ひとつしないAの部屋を振り返る。
頭に蘇る笑顔。
RO「…はい。」
玲於は穏やかに微笑む栞に視線を戻すと、小さく頷いた。
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mamari(プロフ) - りなさん» 以前も読みに来てくれてましたよね。ありがとうございます！ (2018年10月25日 18時) (
レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - やっと付き合えた！って思ったのに...。どんな風になっていくのか気になってしょうがないです（笑） (2018年10月25日 2時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年10月13日 19時
