回復力 ページ7
三日後。
「よし、掃除終わり。」
お客のいない店。
モップを片付け終わると、パンパンと手をはたく。
AL「そんな綺麗にしなくたっていいよー。」
「ダメだよ。お店なんだし。」
AL「俺そんなことしてないもん。」
DJブースから篭った声。
「そんなことより、行かなくていいの？」
AL「どこに？」
配線ケーブルを手にひょこっと顔を出す。
「学校。」
AL「あー。いいんじゃない？」
軽すぎる口調。
AL「あれー…おっかしいなー…。断線したかなー…。」
ブツブツいいながら、またブースの奥に頭を突っ込んだ。
「卒業出来なくても知らないから。」
AL「勉強なんかしなくたって、世の中生きていけるよ。」
「進学考えてないの？」
AL「全く。高校はただの保険だったし。涼太くらいじゃない？俺らん中で進学考えてんのは。」
「そうなんだ…。」
AL「俺はこの道で食ってくって決めてる。」
再び身体を起こすと、滲ませた汗をグッと拭った。
AL「やっぱケーブル買ってこなきゃダメかー。」
ひょいっとブースから飛び降りる亜嵐。
カウンターの上の財布をズボンのポケットに突っ込んだ。
AL「ちょっと買い物出るけど行く？」
「あ…。私も出てきたいんだけど、いい？」
AL「オーケー。開けっ放しでいいよ。」
「お店開けるまでには帰るから。」
AL「気にせずごゆっくりー。」
背を見せて手を上げると、店を出ていく亜嵐。
カバンを掴むA。
行くだけ無駄よ…
「様子…見るだけ…。」
誰かもわからないのに…？
「見たら…すぐ帰るから…。」
自分から傷付きに行くなんてバカみたい…
自分の中の自分とする会話。
掴んだカバンを肩から下げて、Aも店を出た。
その頃。
※医「全く、キミには驚かされっぱなしだよ。凄い回復力だ。」
RO「いつ退院できますか？」
※医「さすがにまだ許可出来ない。検査が残ってる。」
RO「まだ検査ですか…？」
※医「まだ検査だ。」
ガックリ肩を落とす玲於。
※医「回復力は素晴らしいが、無理すれば一生踊れない身体になるぞ？嫌だろ？」
RO「嫌です…。」
※医「なら、大人しく寝てる事だよ。」
RO「…はい。」
白衣のポケットに手を突っ込んで病室を出ていく医者。
医者の姿が見えなくなるとガバッと布団をはね上げた。
RO「いい加減腐るっつーの。」
独り言を呟いてスリッパに足を引っ掛けた。
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しをちゃ(プロフ) - 久々読み返させていただいてただただ泣きました！ほんと素敵なお話でした！ (2019年6月25日 12時) (
レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
片寄みゆな(プロフ) - あぁ感動泣きすぎてやばいです、、、笑 (2018年9月9日 2時) (レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - まぁさん» ありがとうございました。geneのワイワイした感じって彼らの代名詞みたいなものですよね。なので欠かせなかったです。個々の印象とも遠からずで書けたのではと勝手に思っています。次回作ももう構想があるので、近いうちに形にしていけたらまた是非読みに来て下さい (2018年7月3日 23時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - りなさん» 最後までお読みいただきありがとうございました。楽しんでいただけたのなら嬉しいです。 (2018年7月3日 23時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - 完結おめでとうございます！私も玲於君が大好きなので、更新を楽しみに読ませていただいてました。GENEの仲良しな感じもリアルとだぶってとっても面白かったです。また是非新しいお話もお待ちしてます！ (2018年7月3日 10時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年6月12日 18時
