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更ける夜 ページ37

すっかり更けた夜。


「今日はありがと。」

RO「楽しかった。」

「私も。」


顔を見合わせてお互いクスッと笑った。


RO「たまには遊園地も悪くねーわ。」

「絶叫系がダメって覚えた。」

RO「あーそれな…。うん…ま、よく覚えといて。」

「うん。」


大きく頷くA。


RO「また行こうな。」


そう言われて寂しそうに落とした視線。


「…うん。」


それでも小さな返事をする。


「玲於……。あのねっ…。」

RO「んじゃ!そろそろ帰るわ。」


何かを言い出そうとしたAの言葉を遮る。


RO「じゃーな。」


笑顔で背を向けたのに、立ち去れない玲於。


いいのか…?

このまま別れて…

後悔しないのか…?


自分に問うた。

背中に受けていたAの視線。


身体を翻すと、Aが反応するより早く重ねていたキス。

あまりに唐突で驚きに見開いた目。


さっきよりもずっと…

熱い…


そっと持ち上がる小さな手がギュッと玲於の服を握りしめた。

まつ毛を揺らして落ちる瞼。


やっぱ俺…

このまま別れるなんて…

無理だ…


夢中で重ね直したキスが、切ないリップ音を立てて離れる。

細い身体を強く抱き締めた。


RO「A…。」


行かないで…

俺の側にいて…


囁く涙声。

抱きしめ返す細い腕が震えているのが伝わる。


「玲於…。」


帰りたくなんかない…

玲於の側に…

いたいよ…


その声で玄関を開ける玲於。

Aをひょいと抱き抱えると階段を上がっていく。


RO「お前の部屋…どこ…?」


指さした扉を足で蹴っ飛ばすと視界に入るのは整ったベッド。

Aを下ろすと手をついて上から見下ろした。


RO「……嫌だったら…やめっから…。」


瞳を潤ませるのに微笑むA。

小さな手が玲於の頬を包む。


「…大丈夫。」

RO「優しく…出来ねーかもしんねーから…。」

「……大丈夫だから…。」


こんな日は…

もう来ないと思ってた…

もう一度…

玲於の腕にいられるなら…

それだけで…

私は幸せ…


深いキスが落ちればもう止まらない。

掌を伝って握り合う手と手。


段々と大きくなるAの甘い声。


A…

俺に見せろ…

お前の全部…


そんで…

俺をこの細い身体に刻め…

離れてる時間も…

俺を少しも…

忘れないように…


ベッドを軋ませて合わせる肌。

Aの目尻から涙が落ちても、玲於はたたひたすらに、Aを求め続けた。

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設定タグ:GENERATIONS , 佐野玲於 , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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しをちゃ(プロフ) - 久々読み返させていただいてただただ泣きました!ほんと素敵なお話でした! (2019年6月25日 12時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
片寄みゆな(プロフ) - あぁ感動泣きすぎてやばいです、、、笑 (2018年9月9日 2時) (レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - まぁさん» ありがとうございました。geneのワイワイした感じって彼らの代名詞みたいなものですよね。なので欠かせなかったです。個々の印象とも遠からずで書けたのではと勝手に思っています。次回作ももう構想があるので、近いうちに形にしていけたらまた是非読みに来て下さい (2018年7月3日 23時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - りなさん» 最後までお読みいただきありがとうございました。楽しんでいただけたのなら嬉しいです。 (2018年7月3日 23時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - 完結おめでとうございます!私も玲於君が大好きなので、更新を楽しみに読ませていただいてました。GENEの仲良しな感じもリアルとだぶってとっても面白かったです。また是非新しいお話もお待ちしてます! (2018年7月3日 10時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mamario | 作成日時:2018年6月12日 18時

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