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友達として ページ24

翌朝。

ピピッ!と鳴った隼の携帯。


ハッと瞼を開いた隼。


「…ん。」


慌ててアラームを止める。

気持ちよさそうに寝返るA。


携帯を握りしめたまま、起きてしまわないかハラハラして見つめる。

細い身体を丸めて再び上下する胸を見て、ホッとした。


大きな枕に頭を埋めて見つめる、Aの寝顔。


なんて…

細いんだろ…

こんなに無防備に眠ってる…

Aが…

ボクの腕の中で…


このまま…

時間が止まってしまえばいいのに…


指先で払う前髪。

あどけない寝顔に微笑んだ。


HT「…可愛いなぁ。」


小さな声がポツリと呟く。

まるで聞こえたかのように揺れる瞼が、ゆっくりと持ち上がっていった。

寝ぼけたまなこが見つめる隼の顔。


HT「おはよ。」

「……おはよ。」

HT「眠れた?」

「…うん。」

HT「良かった。」


微笑む隼。


「隼…くんは…?」

HT「ボク?」

「眠れた…?」

HT「このベッド、怖いくらい寝心地良かった。」


トロンとまだ眠たそうな顔で、Aも微笑んだ。


ふいに、チュッ…と額で立つ音。

キョトンとするAを、長い腕がそっと抱き寄せる。


HT「可愛い顔して寝てた…。」


平常心を…

保てなくなりそうなくらいに…


身体を伝わってドキドキが伝染してしまいそう。


「隼くん…。」

HT「…ん?」

「…私。」


その先が何となく想像出来た隼。


HT「A……ごめんね…。」

「…なんで…謝るの…?」

HT「分かってるんだ…。Aが…玲於を好きだって事…。」

「…え。」

HT「困るって分かってて…もう一度言っていい…?」


腕が緩んで再び見つめ合ってしまう。


HT「……Aが…好きだよ…。」

「…隼くん。」

HT「でも、玲於には勝てない…。」


どう言っていいか分からないA。


HT「必ず、思い出してくれるから…。」

「えっ…。」

HT「長い付き合いだから分かるんだ。玲於は、Aを本当に大切にしてた。本気で好きなんだって。」


潤ませる瞳。


HT「だから…待っててあげて。」

「隼…くん…。」

HT「玲於が思い出すまで…ボクがそばにいるから…。友達として…。」


だから…

もう少し…

頑張って…


隼の胸にくっつけた頭。

小さな肩がかすかに震える。


一人にしないから…

一緒に待つから…

玲於を…

信じてあげて…


「……あり…がと…。」


そう言ったAを、隼はまた優しく抱きしめた。

待つもの→←寝息



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設定タグ:GENERATIONS , 佐野玲於 , 川村壱馬   
作品ジャンル:恋愛
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しをちゃ(プロフ) - 久々読み返させていただいてただただ泣きました!ほんと素敵なお話でした! (2019年6月25日 12時) (レス) id: 2f52667945 (このIDを非表示/違反報告)
片寄みゆな(プロフ) - あぁ感動泣きすぎてやばいです、、、笑 (2018年9月9日 2時) (レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - まぁさん» ありがとうございました。geneのワイワイした感じって彼らの代名詞みたいなものですよね。なので欠かせなかったです。個々の印象とも遠からずで書けたのではと勝手に思っています。次回作ももう構想があるので、近いうちに形にしていけたらまた是非読みに来て下さい (2018年7月3日 23時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - りなさん» 最後までお読みいただきありがとうございました。楽しんでいただけたのなら嬉しいです。 (2018年7月3日 23時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - 完結おめでとうございます!私も玲於君が大好きなので、更新を楽しみに読ませていただいてました。GENEの仲良しな感じもリアルとだぶってとっても面白かったです。また是非新しいお話もお待ちしてます! (2018年7月3日 10時) (レス) id: 3f78a71996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mamario | 作成日時:2018年6月12日 18時

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