週明け ページ8
翌朝。
リビングには、仕事に行く格好で新聞を読む父の姿。
※父「おはよう。」
「…おは…ようございます…。」
少し怯えた顔。
父と目を合わせられない。
キッチンに逃げて、グラスに注いだミルクを一口飲んだ。
※父「A。」
新聞を畳んで立ち上がると近づいてくる。
大きな手を伸ばすと、ビクッと身をすくめたA。
※父「昨日はすまなかった…。大人気無かったと反省してるよ…。」
そっと撫でられた髪。
スーッと降りてくると頬を包む。
※父「そんな顔しないで、笑いなさい。」
「…はい。」
そう言われても笑えるはずもなく、小さな返事が虚しく宙を舞う。
※父「似て来たな。」
「…え。」
※父「母さんに似て来た。」
「…そう…かな。」
大きな手の温もりが離れると、ソファに戻る父。
ドサッと音を立てて座ると、長い足を組んだ。
※父「暫く日本に留まることにしたよ。」
「えっ…。」
※父「ずっと向こうに行きっぱなしだからな。たまにはいいだろう。」
「夕べの…電話の人は…？」
※父「電話の人？」
「すぐ戻るって…。」
※父「あぁ。放っておけばいい。」
愛してる…
なんて…
そう言う関係の人のはずなのに…
放っておけ…なんて…
※父「お前のことを、放置し過ぎた。何かと心配の種が増えていそうだからね。」
「わ、私は別に…。」
※父「そんな事より。今日は学校へ行かなくていい。」
「え…。」
※父「母さんの所にでも行こう。白いワンピースの事も、叱ってもらわないとな？」
口元を緩める父は、再び新聞を開く。
Aはキッチンの付近をギュッと握りしめた。
午前8時過ぎ。
四方八方の路地から出てくる学生たち。
おはよー！
とあちこちから元気な笑い声。
ローファーを引きずって歩く玲於。
その背中から抱きついてくる腕。
HT「玲於ー！おっはよー！」
RO「おはよ。お前、毎日元気過ぎんだろ…。」
苦笑いが浮かぶ。
HT「もぉ、今日楽しみでさーっ！」
RO「楽しみ？なんかあんの？」
隼は玲於を指差して豪快に笑って見せた。
HT「またまたーっ！とぼけちゃって！」
RO「は？」
すかさず抱き寄せられた肩。
HT「キスの後の玲於の顔が楽しみなの。」
RO「おまっ…。それ言ったら殺すぞっ！！」
笑いながら逃げて行く隼。
玲於の頭にはAの不自然な電話があった。
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片寄みゆな(プロフ) - 青色が裕太くんで、水色がりゅうとくんじゃないんですか？ (2018年9月8日 20時) (
レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - ゆららさん» ありがとうございます。平日は仕事なので少なめですが休日は多めにと心がけてますので最後までお付き合いくださいませ。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - ほんとに面白いです！！！更新待ってます！！ (2018年5月7日 1時) (レス) id: 2a1bcd5b7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年5月5日 10時
