おかしな電話 ページ7
パタンと扉が閉まる音。
ボロボロになったワンピースを脱ぐと、ストンと座り込んだ。
たぐり寄せて抱きかかえる服に埋める顔。
鼻をすするのに唇を噛みしめる。
玲於…くん…
頭の中で何度も繰り返す。
下着姿の細い身体が、か弱く震えていた。
一方。
亜嵐の店に玲於が駆け込んだ頃には、既に揃っていた。
いつもの顔ぶれ。
肩を盛大に上下させている玲於を見れば、大急ぎで来たことが分かった。
一斉に向いた視線。
ニヤッと笑う龍友は裕太の肩を抱き寄せた。
RU「俺を見てろ。A。」
YT「玲於くん！」
RU「お前が好きだ！」
ガシッと抱き合った後、わざとらしく尖らせた口を寄せる。
遅かった…
ガックリ落とした肩。
深いため息をついた玲於。
盛り上がってる面々に、イラついた顔で髪をクシャクシャとかいた。
その時。
握りしめていた携帯がブンブン震える。
呆れた視線をみんなに投げた後、携帯を見ればAの名前。
RO「あーもうっ！うるっせーよ！！」
怒鳴って耳に運ぶ携帯。
RO「もしもし？」
すぐに返ってこない返事。
繋がったのか確認して再び耳に運ぶ。
RO「もしもし？A？」
RU「A！？さっそくラブコール来たー！」
更に盛り上がろうとする龍友に、涼太はシーと口に指を立てる。
RO「A、聞こえてる？もしもし？」
暫くの間の後。
「……玲於…くん。」
RO「…どした？」
振るわせないように装っても伝わる。
声のトーン。
何となく感じた違和感に、おさまる騒がしさ。
床に座り込んだまま、玲於の声を聞いていたA。
口を開けば泣いてしまいそうで、次の言葉が吐き出せない。
RO「A…？どしたんだよ…？」
耳元で囁くような玲於の声。
ギュッと目を閉じて、携帯を強く握りしめた。
RY「どしたの？玲於。」
RU「Aやろ？なんやて？」
服を軽く引っ張る涼太と、茶化す気満々の龍友に、首を横に振った。
RO「今…どこ…？」
「……うち…だよ……。」
RO「何かあったのか…？」
「…何も…ないよ…。」
RO「じゃあ…なんで泣いてんだよ…。」
えっ…という顔を見合わせた。
「……泣いて…ないよ…。」
嘘つき…
思いっきり声震えてんじゃんかよ…
俺にだって…
そんくらい感じ取れんだよ…
「…ごめん。何でもないの…。お休みなさい…。」
RO「あっ、おいっ！！」
引き止める暇もなく、一方的にプツッと切れた。
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片寄みゆな(プロフ) - 青色が裕太くんで、水色がりゅうとくんじゃないんですか？ (2018年9月8日 20時) (
レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - ゆららさん» ありがとうございます。平日は仕事なので少なめですが休日は多めにと心がけてますので最後までお付き合いくださいませ。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - ほんとに面白いです！！！更新待ってます！！ (2018年5月7日 1時) (レス) id: 2a1bcd5b7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年5月5日 10時
