連絡 ページ42
プルルル…
無機質な携帯の音。
ズボンのポケットから引っ張り出す。
RO「はい。」
ぶっきらぼうな一声。
RI「玲於？」
RO「リク。どーした？こんな朝っぱらから。」
RI「Aから連絡あった？」
RO「え？A？ねーけど？」
Aの名前に反応した隼と顔を見合わせた。
RI「あいつ…。俺より先に玲於だろ…。」
ボソッと独り言のように言う。
RO「なんだよ？」
RI「壱馬、目を覚ましたよ。」
RO「え。」
一瞬、自分の中の何が止まった気がした。
RI「だから、壱馬が目を覚ましたんだよ。」
RO「いつ…？」
RI「昨日。わりと元気で、ベッドの上で起き上がって話してるってさ。」
リクの声を耳に流しながら、ギュッと目を閉じた。
良かった…
RI「玲於？聞いてる？」
そう…
心から思う…
思うんだよ…
だけど…
RO「聞いてるよ…。」
RI「俺、学校終わったら行くんだけど、行かないか？」
瞼をゆっくり持ち上げる。
RO「悪ぃ…。今日は行けねーわ…。」
RI「そっかー。じゃ、また今度。」
RO「リク…。」
RI「ん？」
RO「壱馬に…。」
伝えて欲しい…
Aを…
頼むって…
その言葉が吐き出せずに詰まった。
RI「壱馬に？なんだよ？」
不自然な間。
顔を上げて朝から綺麗な空を見つめた。
RO「いや…。なんでもねぇよ。よろしく言ってくれ。」
RI「気になるじゃん…。」
RO「もう切るぞ。」
RI「ん。またね。」
プツッと切った電話。
RO「壱馬、目覚ましたってさ。」
HT「えっ！ホントに！？良かったー…。」
RO「そうだな…。」
お尻を払って立ち上がる玲於。
HT「お見舞い行こうよ！」
RO「行かねー。」
HT「なんで！？」
ポケットに手を突っ込んで、空を仰いだ。
もうこれ以上…
巻き込めねーだろ…
壱馬も…
リクも…
そして…
HT「Aにも…黙って行く気なの？」
RO「Aの事は、壱馬が何とかすんだろ。」
大事なんだ…
本気で好きになった…
Aだけなんだ…
俺を…
本気にした女は…
だから…
絶対に…
危ないことになんか…
巻き込めねーんだよ…
例えば…
この判断が間違ってたとしても…
俺に出来ることは…
これしかねーから…
RO「行くぞ。」
身軽に身体を翻る隼。
HT「ボク、玲於のそういうとこ大っ嫌いだわ。」
RO「うっせー。」
でも…
それ以上に大好きだから…
一緒に行くよ…
隼は玲於の肩をグイッと抱き寄せた。
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片寄みゆな(プロフ) - 青色が裕太くんで、水色がりゅうとくんじゃないんですか？ (2018年9月8日 20時) (
レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - ゆららさん» ありがとうございます。平日は仕事なので少なめですが休日は多めにと心がけてますので最後までお付き合いくださいませ。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - ほんとに面白いです！！！更新待ってます！！ (2018年5月7日 1時) (レス) id: 2a1bcd5b7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年5月5日 10時
