特例 ページ32
※看「あら、佐野くん。」
外からやって来た看護師。
※看「ダメじゃない。病室抜け出してきちゃ。」
玲於にしがみついているA。
ゆっくり振り向けば、ひどい泣き顔。
RO「あの…。こいつ、入れてやってもらえませんか…？」
※看「あ、お友達？ごめんなさい…ご家族しか入れない決まりなの。」
RO「お願いします！こいつは家族じゃないけど…家族みたいなもんで…あ…いや…家族以上…でもないか…。とにかく！」
玲於は深すぎるほど頭を下げた。
RO「お願いします…。少しでいいから…。」
下げたまま上げない頭。
涙に頬をぬらしたまま、Aは玲於の姿に顔を歪めていた。
困った顔の看護師。
中で白衣と話すとすぐに戻って来た。
※看「ホントに少しよ…？本来ダメなんだから…。」
RO「ありがとうございます！」
頬を緩ませた顔が持ち上がる。
玲於はAの背を押した。
RO「ほら、いいって。早く行け。」
「…玲於くん。」
RO「早く！取り消されちまうぞ。」
そんで…
言ってくれよ…
いつまで寝てんだって…
笑えねー冗談やめろって…
マスクをして、頭から足先まで消毒スプレーをかけられて、頭と手を覆われて入るガラスの向こう。
ベッドに近づくと、それが壱馬であると認識させられた。
白衣に何か言われて頷くAを見つめる玲於。
もし…
ビニールに覆われた指先が壱馬の頬を撫でる。
俺がそこで寝てても…
一気に溢れ出した涙が頬を伝っていく。
お前は…
そうやって泣いてくれたのか…？
崩れ落ちるようにベッドにもたれるAは、壱馬の手を握って泣くだけ。
無意識にガラスにへばりついていた玲於。
ギュッと目を閉じて、頭をもたげた。
その頃。
※「申し訳ございません…。」
校長室に呼び出されていたリク。
両親がそう言ってひたすら謝る姿をもうどの位見ているか。
RI「あの…壱馬は…。」
校長と担任の冷たい視線が向けられた。
※校「彼もキミも成績は優秀だ。しかも、今回は鴉の仕業との報告もある。」
RI「…じゃあ。」
※校「特例だよ。次はない。」
RI「…ありがとう…ございます…。」
壱馬…
俺…
何やってんだろう…
お前が大変な時に…
なんでこんなとこで…
頭下げてんのかな…
※「二度とこんな事には…。」
何度も頭を下げる親と、嫌味混じりの言葉を吐き出す校長のやり取りを聞きながら、膝の上で拳を強く握りしめた。
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片寄みゆな(プロフ) - 青色が裕太くんで、水色がりゅうとくんじゃないんですか？ (2018年9月8日 20時) (
レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - ゆららさん» ありがとうございます。平日は仕事なので少なめですが休日は多めにと心がけてますので最後までお付き合いくださいませ。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - ほんとに面白いです！！！更新待ってます！！ (2018年5月7日 1時) (レス) id: 2a1bcd5b7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年5月5日 10時
