告白 ページ4
Aと玲於が去ってから。
マドカに強引に引っ張って来られたレストラン。
終始、考え事をしてるような壱馬。
話しかけても、小さな相槌が返ってくる程度。
電車に揺られて地元の駅に戻って来た頃には、オレンジ色の空へと変わっていた。
MK「壱馬先輩！」
壱馬の足が止まるほど勢いよく引っ張った腕。
KZ「えっ、あ。何…？」
ようやく目があった気がした。
MK「やっとマドカの事見てくれた…。」
KZ「…え。」
MK「映画館にいる時から、壱馬先輩…ずっと違うこと考えてる…。」
KZ「そんな事…ないよ…。」
浮かべた苦笑いさえ、不自然。
MK「あの女の人の事…？」
目を合わせられなくて視線を落とした。
MK「あの人は…壱馬先輩のなんなの…？」
KZ「幼馴染だって話聞いてたでしょ…。」
MK「それだけ…？」
即答出来ない気持ちを隠すように歩き出す。
KZ「そんな事いいから…。日が暮れないうちに帰ろ…。」
一緒だったのに…
大好きな壱馬先輩と…
こんなに近いのに…
唇をキュッと噛みしめるマドカ。
壱馬に駆け寄ると背中から抱きついた。
KZ「マ…マドカちゃん…？」
細い腕が壱馬の腰をギュッとする。
MK「マドカ…まだ帰りたくない…。」
KZ「あんまり遅くなると…ご両親が心配するから…。」
MK「あの人でも同じ事言うの…？」
KZ「えっ…。」
MK「あの人と一緒でも帰ろうって言うの…？」
ギュッと服を握りしめる小さな手。
MK「……好き。」
入学式で初めて見た時から…
ずっと…
KZ「マドカちゃん…。」
壱馬の大きな手が、マドカの手を解く。
離れるのを嫌がるマドカは非力な抵抗を見せた。
MK「幼馴染なんでしょ！？彼女じゃないんでしょ！？」
KZ「…そうだよ。」
彼女じゃない…
MK「ならマドカでもいいじゃない！」
KZ「そう言う問題じゃ…。」
MK「どうして！？好きなの…。壱馬先輩が好きなのっ！」
泣き叫ぶような声に、顔を歪める壱馬。
胸が締め付けられる思いがした。
KZ「気持ちは…嬉しいよ…。」
MK「だったら！」
KZ「でもごめん…。マドカちゃんの気持ちには応えられない…。」
Aが…
好きなんだ…
それが例え…
伝える事の無い想いでも…
マドカの手から力が抜ける。
頬を手の甲で拭う仕草を見せながら、壱馬の横を通り過ぎる。
KZ「マドカちゃん！」
壱馬の声に足も止めず、マドカは街灯灯り始める道を走り去ってしまった。
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片寄みゆな(プロフ) - 青色が裕太くんで、水色がりゅうとくんじゃないんですか？ (2018年9月8日 20時) (
レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - ゆららさん» ありがとうございます。平日は仕事なので少なめですが休日は多めにと心がけてますので最後までお付き合いくださいませ。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - ほんとに面白いです！！！更新待ってます！！ (2018年5月7日 1時) (レス) id: 2a1bcd5b7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年5月5日 10時
