壱馬先輩 ページ26
強引に押される背中。
勝手に動く足を、強制的に止めた玲於。
RO「おい…。」
RI「何？どしたの？」
RO「…今の女。」
RI「今の？マドカちゃんのこと？」
壱馬先輩…って…
玲於は壱馬に向き直る。
RO「お前を壱馬って呼ぶ女はどんくらいいる？」
KZ「えっ…。いないよ…。Aも壱ちゃんって呼ぶし…。」
RO「なら…壱馬先輩って呼ぶ女は…？」
RI「マドカちゃんくらいじゃない？」
KZ「うん…。そうだな。それが…？」
壱馬先輩って名前が出てた…
頭をテロップのように横切る涼太の言葉。
何の根拠も、何の証拠もないのに、玲於の胸がざわついた。
RO「あの女だ…。」
KZ「え？」
来た道を走り出す玲於。
KZ「あっ、おい！」
壱馬とリクは顔を見合わせると、玲於を追いかけた。
校門の前。
もう人の出入りもない。
辺りをキョロキョロする。
RI「なになに？どしたの？」
RO「さっきの女。どっち行った！？」
RI「えっとー…マドカちゃんちどっちだろ？」
アタフタと右を向いたり左を向いたりするリク。
RO「おい！壱馬！女んち教えろ！」
KZ「教えろって…知らないよ…。」
RO「はぁ？映画デートするくせに家知らねーのかよ！？」
KZ「あ、あれは誘われたから行っただけだよ！」
チッとする舌打ち。
KZ「さっきから何だよ…？」
ハァ…とため息をつく玲於は、ズボンのポケットに手を突っ込んだ。
RO「俺のツレが言ってた…。Aに絡んでた奴が、壱馬先輩って口にしてたって。」
壱馬って誰も呼ばなくて…
唯一…
壱馬先輩って呼ぶ女…
RO「Aに絡んだのはあの女だ…。」
RI「えぇっ！？マドカちゃんが！？」
プルルルル…。
突然なりだした玲於の携帯。
表示も見ずに耳に運んだ。
RO「はい。」
HT「玲於！今どこにいんの！？」
RO「隼？なんだよ？後ろうるせーな？どした。」
HT「亜嵐くんとこ来て！」
RO「なんかあったのか？」
なんの音なのか探ることさえ難しい隼の携帯から聞こえてくる騒音。
HT「攻めて来たんだよ！」
聞いた瞬間。
携帯を掴んだまま走り出した玲於。
KZ「玲於！？」
RI「どこ行くの！？」
RO「帰る！女んち調べとけ！」
二人に指をさして叫ぶと、あっという間にいなくなってしまった。
RI「まさか…Aになんかあったんじゃ…ないよね？」
KZ「俺たちも行こう。」
頷きあう二人は玲於の後を追いかけて走りだした。
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片寄みゆな(プロフ) - 青色が裕太くんで、水色がりゅうとくんじゃないんですか？ (2018年9月8日 20時) (
レス) id: c5f011830b (このIDを非表示/違反報告)
mamari(プロフ) - ゆららさん» ありがとうございます。平日は仕事なので少なめですが休日は多めにと心がけてますので最後までお付き合いくださいませ。 (2018年5月7日 22時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆらら(プロフ) - ほんとに面白いです！！！更新待ってます！！ (2018年5月7日 1時) (レス) id: 2a1bcd5b7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mamario | 作成日時：2018年5月5日 10時
