袋の中身 ページ49
一方。
朝早く目が覚めてしまった玲於。
リハまではまだだいぶ時間があるのに、出た部屋。
タクシーに乗ってやって来たのは、もう見慣れたマンション。
迷うことなくエレベーターに乗って上にあがる。
幾つかある扉の前で足を止めた。
カバンの蓋を開けて取り出したのは、うさぎのマスコット。
リハに来なかった壱馬…
様子のおかしい北人や慎…
何も語らないナオトさんと…
登坂さんのあの取り乱した感じ…
きっと…
何かあったんだ…
ナオトさんに聞いたって…
どうせ何も聞くなって言うに決まってる…
だから…
自分の目で確かめる…
俺の予想が間違ってなければ…
この鍵は…
冷えた鍵を、穴に差し込もうとした時。
隣の部屋の扉がカチャリと開く音。
反応して視線を投げると、隣の住人が顔を覗かせて玲於を見ていた。
RO「あの…何か…？」
小さく会釈して聞いてみる。
※「この間の子とはまた違うのね。」
RO「は…？」
部屋着だろうか。
少しヨレたシャツと緩いパンツ姿で近付いてくる。
※「あなた、えーっと…誰だったかしらね…。ここによく来る男の人…。テレビに出てる…。」
RO「登坂…広臣…ですか？」
※「そうっ！その人。」
思い出せて嬉しそう。
※「その登坂さんとお知り合い？」
RO「えぇ…まぁ…。同じ職場の先輩ですが…。」
※「良かった。」
笑顔で手に下げていた小さな紙袋を差し出した。
※「これ。この間若い子が来てたんだけど、渡すの忘れちゃって。」
RO「これは…？」
受け取って中を除くと小さな箱。
※「登坂さんって人だと思うのよね。よく訪ねてきてた、この部屋の持ち主。」
キョトンとして首を傾げる。
※「片付けに来た時渡してくれってAちゃんから預かってたんだけど、なかなか来なくて。悪いんだけど渡しておいてくれる？」
ポンポンと腕を叩かれた。
※「お願いね。」
ニコニコ笑顔を崩さないまま、部屋に戻って行った。
誰の視線も無くなると、玲於は中の小さい箱を取り出す。
その蓋を開けてハッと目を見開いた。
それは、小さなリング。
つまんで掲げれば、あの文字が掘ってある。
"約束の人…"
RO「これ…登坂さんがあげた…エンゲージリング…。なんで…。」
再度袋の中身を除けば、折りたたまれた紙が残ってるのに気付いた。
登坂さん…
すいません…
心でそう呟いて、玲於はそっと紙を掴んだ。
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りなg(プロフ) - このお話はもう続かないですか？ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
臣ちゃん妻 - 始めから読ませてもらっているのですが、いずれは誰かと落ち着くのでしょうか？ (2019年8月18日 20時) (レス) id: fbb00be1f3 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - その気持ちをちゃんと皆に伝えられたら良かったんだけどね…。それを聞いた臣さん壱馬はどうするんだろう？切なすぎます(>_<) (2019年8月15日 10時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 究極に切ない〜(´；ω；｀)！！！！更新毎日待ち遠しいです(´･_･`)！！れ (2019年8月8日 19時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - 直人さん玲於には伝えないのかな…。皆感情がおかしくなっちゃう(>_<)玲於彼女に会いに行かないかな…。 (2019年8月8日 18時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年7月15日 14時
