変わる時 ページ48
壁の影から出て来た壱馬。
OM「壱馬…？」
臣は驚いた顔を隠せない。
OM「お前…どうして…。」
ジッと陽子を見つめた、
YK「どちら様…？」
OM「俺の…後輩だ…。」
YK「え？じゃあ…彼も芸能人？」
小さく頷く。
YK「全く…。あの子の周りは芸能人だらけね…。」
腰に手を当てた。
KZ「松田さんに…お世話になってます。川村壱馬です…。」
YK「松田ちゃんに？」
それで思い出す。
一度、Aに使いに行かせ事を。
YK「それで？盗み聞きしてたのに、なんで出てきたの？」
盗み聞き。
なんて言葉が胸を痛めた。
一歩踏み出す壱馬。
KZ「それが、Aを台湾にやった理由…ですか？」
交わす視線。
YK「少し、頭を冷やすのも必要かと思った。正直、彼の件であの子も肩身の狭い思いをしてたから。」
臣をチラッと見て、すぐに戻した視線。
KZ「本当は、もっと別の理由があるんじゃないんですか…？」
OM「何言ってんだ…？お前…。」
KZ「ここに来るまでに聞いたんですよ。」
OM「何を…？」
KZ「人の口って怖いですよね。事実も、そう出ないことも、盛りに盛られて世に放たれていく。」
陽子の顔が少しだけ険しくなった。
YK「何が言いたいの…？」
KZ「あなたにとって、お荷物である台湾にAを行かせることで、一緒に始末したかったんじゃないですか…？」
その一言に、臣は大きな目をさらに大きくして陽子を見た。
YK「始末…。なんの理由で…？」
KZ「そんなの俺に聞かないで下さい。けど、少なからず手はかかった。その理由が登坂さんだったとしても、会社の中で肩身の狭い思いをしているくらい面倒な存在だったなら、あなたにとっても同じ。だから…。」
いっそ…
面倒な部署ごと…
潰してしまえ…と。
俯く陽子は、フッと口元を緩めて笑った。
YK「そうかもね…。」
KZ「そんな事で潰させやしません。呼び戻してもらいます。」
YK「その言葉…そっくりそのまま返すわ。」
KZ「え…？」
YK「あの子は今、変わろうとしてる。」
これまで…
逸れることの出来なかった…
誰かに作られたレールの上から…
逸れようとしてる…
あの子の意思で…
YK「自分の足で、ようやく歩き始めたの。邪魔させやしない。」
髪をかけあげた。
YK「誰が言ったのか知らないけど、潰すなんて、私はそこまで子供じゃないの。悪いけどもう行くわね。」
小さな背を見せてオフィスへ戻って行った。
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りなg(プロフ) - このお話はもう続かないですか？ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
臣ちゃん妻 - 始めから読ませてもらっているのですが、いずれは誰かと落ち着くのでしょうか？ (2019年8月18日 20時) (レス) id: fbb00be1f3 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - その気持ちをちゃんと皆に伝えられたら良かったんだけどね…。それを聞いた臣さん壱馬はどうするんだろう？切なすぎます(>_<) (2019年8月15日 10時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 究極に切ない〜(´；ω；｀)！！！！更新毎日待ち遠しいです(´･_･`)！！れ (2019年8月8日 19時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - 直人さん玲於には伝えないのかな…。皆感情がおかしくなっちゃう(>_<)玲於彼女に会いに行かないかな…。 (2019年8月8日 18時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年7月15日 14時
