女性社員 ページ45
息を乱して戻って来た自宅前。
MK「北人さん！」
HT「どう？いた？」
慎は首を横に振った。
MK「壱馬さん…。どこ行っちゃったんすかね…。」
北人は腕の時計を見る。
HT「電話は？」
MK「留守電になってました…。」
HT「壱馬……。」
頭の中が、どうしたらいいかを必死に考えようとしていた。
MK「壱馬さんまで…消えちゃう…なんて事ないっすよね…？」
唇をキュッと噛む北人。
HT「とりあえず…スタジオ行ってみよ…。来るかもしれない…。」
MK「来なかったら…？」
壱馬が…
歌うことを放棄するなんてありえない…
HT「来るよ…。きっと来る…。」
来る…よね…？
MK「荷物、取ってきます。」
HT「うん。」
部屋に戻っていく慎。
北人はもう一度、壱馬の携帯を鳴らしてみる。
おかけになった電話は…
電波の届かない…
やっぱり流れる留守電のアナウンス。
ピーと音が鳴った。
HT「壱馬…連絡して。」
うまい言葉が見つからなくて、たったそれだけで切った留守電。
小さなため息をつくと、空を見上げる。
"これでみんな幸せになれる…"
HT「少なくとも壱馬は…幸せそうじゃないよ…。」
Aさん…
独り言を呟くと慎が出できた。
MK「お待たせしました。」
HT「うん。行こ。」
二人で連れ立って、リハのあるスタジオへ向かった。
その頃。
松田のメモを頼りに、Aが務めていた会社にやって来た壱馬。
受付を素通りしてエレベーターに乗り込んだ。
※「ねぇ、また来てるらしいわよ。」
※「誰が？」
※「登坂広臣！」
ピクンと眉が反応した。
腕にファイルを抱えている若い女性たち。
前髪で顔を隠すように、俯いた壱馬。
※「また！？でも…例のあの人、もういないよね？」
※「陽子さんに台湾飛ばされたらしいよ(笑)」
※「えー。陽子さんもエグいことするね(笑)」
※「新入社員の時から可愛がってたらしいけど、やっぱ嫉妬には勝てないかー。」
※「けど陽子さんってそう言うの興味あったの？」
※「さぁ。でもさー可愛がってる部下を飛ばすんだから、よっぽどなんじゃない？」
※「そう言えば、その人、加瀬さんにも手出してたって。」
※「わー。大人しそうな顔して(笑)」
※「ま、もう戻って来れないっしょ？台湾支社なんてさー、陽子さんのお荷物じゃん？」
※「一緒に潰すとか！？(笑)」
※「怖ー(笑)」
ケラケラと、嫌な笑い声。
壱馬はギュッと拳を握りしめた。
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りなg(プロフ) - このお話はもう続かないですか？ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
臣ちゃん妻 - 始めから読ませてもらっているのですが、いずれは誰かと落ち着くのでしょうか？ (2019年8月18日 20時) (レス) id: fbb00be1f3 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - その気持ちをちゃんと皆に伝えられたら良かったんだけどね…。それを聞いた臣さん壱馬はどうするんだろう？切なすぎます(>_<) (2019年8月15日 10時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 究極に切ない〜(´；ω；｀)！！！！更新毎日待ち遠しいです(´･_･`)！！れ (2019年8月8日 19時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - 直人さん玲於には伝えないのかな…。皆感情がおかしくなっちゃう(>_<)玲於彼女に会いに行かないかな…。 (2019年8月8日 18時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年7月15日 14時
