聞きたいこと ページ13
HT「Aさん。」
「北人くん…。」
HT「ホントにいたんだ。」
壱馬は握りしめていた手を離した。
KZ「北人に送って貰え…。」
「えっ…。」
KZ「あと頼むわ…。」
HT「ちょっ、壱馬！？」
ズボンのポケットに手を突っ込んで、店の方へ戻って行ってしまった。
HT「あー…行きましょっか(笑)」
「一人で大丈夫だから…。」
HT「ま、とりあえず行きましょ。」
北人に促されて歩き出す。
賑わう都会の街。
「壱馬くんを…怒らせちゃった…。」
HT「何があったんですか…？」
Aはさっきのことを話した。
「でも…怒って当たり前だよ…。」
HT「え、どうして？」
足を止めるA。
遠い目をした。
「私だけ…。いつまでもフラフラして…。」
壱馬くんも…
玲於も…
臣さんだって…
みんな気持ちを真っ直ぐ伝えてくれてるのに…
私は…
"欠けた記憶…取り戻そう…"
「欠けた…記憶…。」
HT「Aさん？」
それを取り戻せば…
何かが…
変わる…？
欠けた記憶…
欠けてるもの…
取り戻さなきゃならないものって…？
心ここに在らず。
北人は顔を覗きこんだ。
HT「Aさん？」
「え…あ…。」
HT「大丈夫…ですか？」
「う…うん。」
微笑んで見せた。
HT「Aさん…。」
「ん？」
再び歩き出す。
HT「壱馬のこと…どう思ってますか…？」
「え…？」
HT「好きか嫌いか…。」
「……好き…よ。」
HT「でも…登坂さんや玲於くんには負ける…？」
答えられなくて、視線を落とす。
HT「壱馬って…見た目よりずっと真面目なんです。頭固いって言うか…。だから…浮いた話はほとんどない。」
長い付き合いだけど…
壱馬が…
こんなに真剣に…
こんなに必死に女の人を追いかける姿を…
見たことがない…
きっと毎日…
苦しくて…
苦しくて…
悩んで悩んで…
HT「壱馬は…きっと自分が許せなかったんです…。」
「許せない…？」
HT「さっきのです…。」
ぶっきらぼうな態度を思い出した。
HT「登坂さんの婚約者に手を出してるのは自分も同じ…。なのに…あなたを責めてしまったことに腹が立ったんですよ…。」
「そんな……。壱馬くんは…何も悪くないのに…。」
俯いた。
HT「Aさん。一つ、聞きたいことがあります。」
「聞きたいこと…？」
穏やかな微笑みを引っ込めると、北人は急に怖いくらい真面目な顔になった。
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りなg(プロフ) - このお話はもう続かないですか？ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
臣ちゃん妻 - 始めから読ませてもらっているのですが、いずれは誰かと落ち着くのでしょうか？ (2019年8月18日 20時) (レス) id: fbb00be1f3 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - その気持ちをちゃんと皆に伝えられたら良かったんだけどね…。それを聞いた臣さん壱馬はどうするんだろう？切なすぎます(>_<) (2019年8月15日 10時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 究極に切ない〜(´；ω；｀)！！！！更新毎日待ち遠しいです(´･_･`)！！れ (2019年8月8日 19時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - 直人さん玲於には伝えないのかな…。皆感情がおかしくなっちゃう(>_<)玲於彼女に会いに行かないかな…。 (2019年8月8日 18時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年7月15日 14時
