景色 ページ1
残りたそうな壱馬を引っ張って帰った北人。
部屋の中は、物音一つない。
もう一つの部屋にいる臣と、ソファで横になる玲於。
カチャリ…
と扉の音がして、身体を起こす。
OM「これ…。使えよ…。」
腕に下げていたタオルケット。
差し出した。
RO「あ……。ありがとうございます…。」
近付いて、受け取った。
自然と合ってしまった視線。
直ぐに逸らしたのは臣だった。
OM「続きだけどな…。」
RO「え…。」
OM「話の続き…。」
RO「あ…はい…。」
玲於の横を過ぎてソファに座ると足を組んだ。
深い溜息を一つ。
OM「初めて一緒に朝を迎えた日…。俺はライブのリハにAを連れてった。」
作ってる最中のステージに…
凄く興奮してた…
「凄い！！大きい！！」
飛びっきりの笑顔なんて…
俺にしか見せなかったから…
みんな驚いて…
KJ「Aも…あんな顔で喜ぶんやな(笑)」
IT「初めて見た…。」
NA「Aちゃ〜ん！もっと面白いこと、してみる？(笑)」
ドームがどこまでも見渡せるステージの上で振り返る。
「もっと面白いこと？」
ナオトは手招く。
袖から奈落に降りて、小さな台の上にAを乗せた。
NA「トランポリンだよ。」
「え？トランポリンって…あの弾むトランポリン…？」
NA「そっ。この板が上がったらジャンプするんだ。」
コクコクと頷いた。
NA「行くよ？」
身を屈めて構える。
NA「3、2、1！！」
手元のスイッチをポンと押すと、床板が勢いよく上がる。
それに合わせて跳ねると、ステージの上に飛び出した。
NA「うまいじゃん(笑)」
「ヤバッ…。楽しいっ！！」
NA「もっかいやるか？」
「やるっ！！」
もう見守るのにも飽きてきた頃。
飛び出してきたAは、動きを止めた。
ゆっくり花道の最先端まで歩くと、広い客席を見回す。
背中に近付いてくる足音。
OM「A？」
真っ直ぐ前を見つめたまま。
「ここで……歌うの…？」
OM「そうだよ。」
「たっくさんの人が…見に来るんだよね…？」
OM「あぁ。」
小さな涙が、ホロッとこぼれる。
OM「なんで泣くの…？」
驚く臣に向けられた顔。
「分かんない…(笑)」
泣いているのに笑っていた。
「嬉しいのに…なんか怖い…。」
凄い人なんだ…
ホントは…
私なんか相手にもされないくらい…
そういう人の腕にいられたことが嬉しい…
でも…
いなくなっちゃいそうで…
怖い……
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りなg(プロフ) - このお話はもう続かないですか？ (2021年3月13日 19時) (
レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
臣ちゃん妻 - 始めから読ませてもらっているのですが、いずれは誰かと落ち着くのでしょうか？ (2019年8月18日 20時) (レス) id: fbb00be1f3 (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - その気持ちをちゃんと皆に伝えられたら良かったんだけどね…。それを聞いた臣さん壱馬はどうするんだろう？切なすぎます(>_<) (2019年8月15日 10時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - 究極に切ない〜(´；ω；｀)！！！！更新毎日待ち遠しいです(´･_･`)！！れ (2019年8月8日 19時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
りなg(プロフ) - 直人さん玲於には伝えないのかな…。皆感情がおかしくなっちゃう(>_<)玲於彼女に会いに行かないかな…。 (2019年8月8日 18時) (レス) id: 12a3518566 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年7月15日 14時
