普通のカップル ページ46
そっと受け取る。
見た目よりずっと、ズッシリと感じられた。
OM「何これ…？」
「開けてみて…。」
しっかりした作りの箱。
引っ張るように蓋を開けた。
目に飛び込んだものに驚きを隠せない臣。
OM「これ…どうしたの…？」
ビックリしている顔にクスッと笑う。
「盗んだりしてないからね？(笑)」
OM「だってこれ…高かったろ…？」
有名ブランドの時計。
「私だってもう16歳だよ…。」
そりゃ臣さんから見れば…
私なんかまだ子供で…
どんなに大人っぽい格好をしても…
背伸びしてるだけにしか見えないのかもしれない…
でも…
変わりたいの…
「三代目の登坂広臣に相応しくなりたい…。」
OM「お前…。」
「してもらうだけじゃなくて、私だってしてあげたい。」
嬉しいはずなのに、険しい顔になってしまう。
「前に言ってくれたでしょ？お金取っておいてって。あれから毎月、取っておいたの。」
高校生になってもまだ…
臣さんといられたら…
16歳になる日に…
まだ臣さんが私を好きだと言ってくれるなら…
あげようって決めてた…
「臣さんの腕には…似つかわしくないかもだけど…。」
部屋の片隅に置いてくれればいい…
時々その時計を見て…
感じて欲しい…
「私と…臣さんは…同じ時間を生きていて……これから先も…臣さんと同じ時間を生きていきたい女がいるんだってこと…。」
だから…
「今日までありがとう…。それと…これからもずっと…傍に居てください。」
これでもかと照れた顔。
ガバッと荷物を取り上げるとさっさと歩き出した。
OM「A！」
「ん？」
振り替える笑顔。
OM「好きだっ！！」
夜の街に響かせた声。
キョトンとした後、クスッと笑った。
「知ってる(笑)」
OM「世界で一番好きだっ！！」
「偶然。私もです(笑)」
楽しそうに歩く背中。
三代目で居る時とは違う幸せを感じてた…
俺の手には…
確かにあったんだ…
人を想って…
人に想われる…
そういう…
人であるが故の幸せが…
「臣さーん！早く！お腹すいちゃったよー！」
俺はこの幸せを…
どんな事があっても守り抜く…
この時…
そう誓った…
追いかける足音。
OM「やっぱ外で食事しよっか？」
「やだ。臣さんの手作りご飯食べたいもん。」
OM「じゃ、ウチまで競走！」
「あっ、待ってよ！！」
楽しそうな笑い声と足音。
誰が見ても幸せそうな普通のカップル。
それが二人の姿だった。
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kotanon(プロフ) - 更新ありがとうございます！願いは変わらずみんなの未来にどうか明るい光が差します様に(‐人‐) (2019年7月4日 22時) (
レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ヤバい(//∇//)壱馬がカッコよすぎ(〃ω〃)もう壱馬と結ばれちゃえって思っちゃいます (2019年7月3日 17時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - みなさんコメントのお礼をサボっていてすみません。有難く読ませて頂いてます！ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - かじゅま、、、最高すぎいい男すぎるたまらないです(´；ω；｀)玲於にも臣さんにも幸せになって欲しいって思うけどまだまだ終わって欲しくないって葛藤してます（笑）これからも更新楽しみにしてます！！ (2019年7月2日 20時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 一日で全部読みました！すっごく面白いです。更新待ってます(*´ω`*) (2019年6月30日 12時) (レス) id: 7a7bc6c821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年6月17日 15時
