差し出す箱 ページ45
KZ「一度は…付き合ったんですか…？」
なのにどうして…
その先の言葉は、すぐに繋がった。
RO「俺も…その先が聞きたいです…。」
幸せだったはずなのに…
どうしてわざわざ…
お姉さんと付き合う事になんかなったのか…
閉ざされた寝室の向こうを見るように、寂しそうな視線を投げた。
OM「思い出して…欲しかった…。」
KZ「思い……出す……？」
RO「何を…？」
元に戻す視線を落とした。
OM「未来の……約束を……。」
小さなため息と一緒に、目を閉じた。
OM「Aが…高校に入学した年の秋…。」
ツアーの合間に…
休みが取れた…
それは…
Aの16歳の誕生日の…
二日前だったんだ…
いつも待ち合わせるカフェで…
少し早い時間に待ち合わせた…
「お待たせ…しました…。」
足を組んで携帯に視線を落とす臣に落ちる影。
持ち上げた顔が、ほんの少し、驚きに変わる。
OM「A…。」
「へ…変ですか…？」
淡いラベンダー色のワンピース。
髪も後れ毛がやけに大人っぽさを醸し出していた。
ジッと見つめてしまう。
「き…着替えてくる…。」
クルッと方向転換する細腕を掴んだ。
グイッと引き寄せて、唐突なキス。
んっ…
鼻先が触れそうな距離で見つめられた。
OM「可愛い…。」
キスでぬれた唇をキュッと噛んだ。
いつもより大人っぽいAと…
映画を見て…
買い物をした…
「臣さん…。」
OM「ん？」
手にいっぱいの袋。
全部臣が持っていた。
駆け寄るAは片方の手から荷物を取ろうとする。
OM「何？どしたの？」
「自分で持つ…。自分のだから…。」
OM「え？いいよ(笑)大して重くないし。」
奪い取るようにして取った荷物。
「私…あと二日で16歳だよ…。」
OM「そうだね。ツアー中だから、当日のお休みは無理だったけど、こうしてAと過ごせて良かったよ(笑)」
優しい笑み。
小さな手いっぱいの荷物をドサッと地面に置いた。
カバンの中を探って取り出す小ぶりの箱。
「臣さんは優しいから…私の言うこと…なんでも聞いてくれちゃうけど…。」
手の中の箱をジッと見つめる。
「それじゃ嫌なの…。」
OM「また援助交際みたいなんて、言うなよ？」
苦笑いする。
OM「考えすぎなんだよ。俺はそんなふうに思ったことなんか一度だって。」
Aは臣の言葉を遮るように、手にしていた箱を差し出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 424人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「芸能人」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
kotanon(プロフ) - 更新ありがとうございます！願いは変わらずみんなの未来にどうか明るい光が差します様に(‐人‐) (2019年7月4日 22時) (
レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ヤバい(//∇//)壱馬がカッコよすぎ(〃ω〃)もう壱馬と結ばれちゃえって思っちゃいます (2019年7月3日 17時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - みなさんコメントのお礼をサボっていてすみません。有難く読ませて頂いてます！ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - かじゅま、、、最高すぎいい男すぎるたまらないです(´；ω；｀)玲於にも臣さんにも幸せになって欲しいって思うけどまだまだ終わって欲しくないって葛藤してます（笑）これからも更新楽しみにしてます！！ (2019年7月2日 20時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 一日で全部読みました！すっごく面白いです。更新待ってます(*´ω`*) (2019年6月30日 12時) (レス) id: 7a7bc6c821 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年6月17日 15時
