悲鳴 ページ41
長い前髪の間から覗く瞳。
ジッと見つめ返す玲於。
ポケットから手を抜く壱馬は、玲於に静かに近付いた。
重たい空気が二人の間に漂う。
HT「あー……帰ろっか…。車…待ってるしさ…。」
耐えられなくて、苦笑いする北人。
それでも、視線を外さない二人。
外せば負ける気がした。
KZ「俺と………同じ気持ちなんですよね…？」
RO「……あぁ。」
HT「あ…その話…なんだけどさ…。」
険悪な空気が嫌で口を挟もうとする。
KZ「北人。黙ってろ…。」
きつい口調で一蹴された。
KZ「俺は引きませんよ。」
RO「奇遇だな。俺も引く気は無いよ。」
そう言われてフンと鼻を鳴らした。
KZ「余裕っすね。Aは俺になんかなびかないって？そう言いたいんすか？」
RO「かもな。」
淡々と返してくる玲於に、ムッとした顔をした。
KZ「ふざけんなよ…。その余裕なんなんだよっ…。俺はっ！！」
イラッとした感情を玲於にぶつけようとした時。
「いやぁぁぁっ！！」
寝室から酷い悲鳴。
北人は思わず身体をビクつかせた。
HT「な、何…！？」
ドタバタと寝室に駆け寄る。
壱馬は扉を勢いよく開け放った。
KZ「A！？」
真っ暗な部屋の中。
ベッドに寝かせたはずのAは、窓際に立っていた。
逆光になって浮かぶシルエット。
KZ「A！どうしたっ！？」
部屋の中に踏み込もうとする。
「来ないでっ！！」
KZ「A…？」
「私に近付かないでっ！！」
KZ「なんだよ！どうしたんだよっ！！」
怯えるようにカーテンにしがみついている。
「そんなに私が憎いの！？」
KZ「…え。」
「そんなに私が生きてるのが許せないのっ！？」
KZ「何言って…。」
歪む顔。
「お願い…。もう来ないで…。」
何に怯えてるのか。
誰に叫ぶのか。
ガラッと窓を開けると、吹き込む風が髪を揺らした。
「もううんざりなのよっ！！」
素足のまま。
後ずさるようにベランダに出る。
KZ「A…？」
見ている事しか出来ない壱馬。
「ごめんなさい…。」
小さな涙が頬に落ちた。
Aが叫んだ瞬間。
それはマンションの廊下にも響いていた。
ガバッと開いた扉から大きな靴が入ってくる。
いくつも並んだ靴に、大きな靴が並ぶと部屋の中に足を踏み入れた。
KZ「A！何してんだよ！危ないから！こっち来い！」
暗がりの中へ壱馬は手を伸ばした。
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kotanon(プロフ) - 更新ありがとうございます！願いは変わらずみんなの未来にどうか明るい光が差します様に(‐人‐) (2019年7月4日 22時) (
レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ヤバい(//∇//)壱馬がカッコよすぎ(〃ω〃)もう壱馬と結ばれちゃえって思っちゃいます (2019年7月3日 17時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - みなさんコメントのお礼をサボっていてすみません。有難く読ませて頂いてます！ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - かじゅま、、、最高すぎいい男すぎるたまらないです(´；ω；｀)玲於にも臣さんにも幸せになって欲しいって思うけどまだまだ終わって欲しくないって葛藤してます（笑）これからも更新楽しみにしてます！！ (2019年7月2日 20時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 一日で全部読みました！すっごく面白いです。更新待ってます(*´ω`*) (2019年6月30日 12時) (レス) id: 7a7bc6c821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年6月17日 15時
