交わる視線 ページ39
見慣れたマンションの前で止まるワゴン。
KZ「A。着いたぞ。」
コテン…と肩に小さな感触。
HT「あらら。寝ちゃった。」
無防備過ぎる寝顔。
HT「可愛いなぁ…Aさんて。」
マジマジ見つめた。
HT「こんなに可愛かったら襲いたくなっちゃうね(笑)」
クスッと笑う。
KZ「でもこいつは…待ってても来ないよ…。」
HT「弱気(笑)」
KZ「分かるんだ…。」
Aの心にいるのは…
俺でも…
登坂さんでもない…
玲於くんだって…
HT「男の勘ってやつ？」
KZ「どうかな…(笑)」
フンと鼻で笑った。
KZ「けど…。」
HT「けど？」
穏やかな寝息。
指先で顔にかかる髪を払って頬を撫でた。
KZ「もうちょっと頑張ったら…俺に堕ちてくれるかもって…思っちゃうんだよ…。」
緩んでいた北人の口角が下がった。
"壱馬くんの想いを言い訳にする…"
過ぎらせた言葉。
KZ「諦めは悪い方だけど…この気持ち…。」
執着…
KZ「女の人に対して…こんな風になった事ないんだ…。」
好き…
そんな気持ちなら何度もある…
だけど…
欲しい…
なんてのは初めてだ…
HT「壱馬…。」
力の抜けた手元から、Aのカバンがポトッと落ちた。
ガバッと拾い上げて北人に押し付けた。
KZ「A、部屋連れてくからカバン持てよ。」
ワゴンの扉を開いて、腕に抱える細い身体。
KZ「相変わらず軽っ…。」
呟いて甘い匂いを感じた。
後からついてくる北人。
エレベーターに乗って、部屋のある階まで。
キュッとスニーカーの音を響かせる足が止まる。
シンと静まるフロア。
玄関の扉に寄りかかっていたのは玲於。
RO「やっぱり…壱馬が連れてたね…。」
KZ「え…。」
身体を起こして壱馬に向き直る。
RO「帰ってないから…何となくそんな気がしてた。」
HT「あっ、これは誤解ですよ？Aさんに会ったのはたまたまでっ。」
説明しようとする北人。
その前に、遮るように立つ壱馬。
KZ「玲於くん……。」
決して穏やかとは言えない視線を交わし合う。
KZ「もう…引いて貰えませんか…？」
ゆっくり近付いてくる。
手を伸ばせばAに届く距離で足を止めた。
RO「とりあえず…Aを先に部屋に入れて。」
HT「あっ。」
カバンの中から鍵を取り出す北人。
大きく開いた扉。
壱馬はAを抱いている腕にギュッと力を込めた。
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kotanon(プロフ) - 更新ありがとうございます！願いは変わらずみんなの未来にどうか明るい光が差します様に(‐人‐) (2019年7月4日 22時) (
レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ヤバい(//∇//)壱馬がカッコよすぎ(〃ω〃)もう壱馬と結ばれちゃえって思っちゃいます (2019年7月3日 17時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - みなさんコメントのお礼をサボっていてすみません。有難く読ませて頂いてます！ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - かじゅま、、、最高すぎいい男すぎるたまらないです(´；ω；｀)玲於にも臣さんにも幸せになって欲しいって思うけどまだまだ終わって欲しくないって葛藤してます（笑）これからも更新楽しみにしてます！！ (2019年7月2日 20時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 一日で全部読みました！すっごく面白いです。更新待ってます(*´ω`*) (2019年6月30日 12時) (レス) id: 7a7bc6c821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年6月17日 15時
