亡霊 ページ37
OM「嘘だ…。」
そんなの…
だって…
美波は……
記憶の中で思い出される笑顔。
臣さん…
OM「美…波……？」
臣さん……
段々大きくなる声。
臣さん…………
手に温かい感触が触れた気がして顔を上げる。
「臣。」
長い髪の女性。
なのに、顔は真っ白。
OM「うわぁぁぁっ！！！」
酷い悲鳴。
集まってくるスタッフたちを、ナオトが止めた。
OM「やめろっ…来るなっ！！こっちに来るなっ！！」
誰もいないのに、目の前を手で払っていた。
酷く怯えた顔で。
IT「ナオトさん！臣さんやばいっすよ！？」
スタッフも今にも駆け寄りたそう。
NA「誰も手を出さないで！！」
EL「けどっ！！」
NA「戦わなきゃダメなんだ…。」
美波の亡霊と…
決別しなきゃダメなんだよ…
このまま取り込まれるようなら…
臣ちゃんは二度と…
元には戻れない…
ナオトは険しい顔で、何かから必死に逃げたそうな臣を見ていた。
公衆の面前で堂々のキス。
HT「壱馬〜。そんくらいにしとかないと、Aさんの唇腫れちゃうよ〜。」
ため息が出そうなキスを見かねて、窓から子犬のように顔を出していた北人がクスッと笑った。
離れるその時も、じゃれつく唇。
ようやく解放すると、トロンとしたAの瞳。
小さな手を握る。
KZ「来いよ。一緒に行こ。」
軽く引いても、細い足は動かない。
KZ「A？」
「壱馬くん…。」
潤んだ瞳を持ち上げた。
「私は…行けない……。」
KZ「なんで…？」
「このまま行っても…私が自分で決めたことにはならないと思うから…。」
KZ「自分で決めたこと…？」
「ナオトさんに言われたの…。」
自分で決めろって…
私は今まで…
いつも何かに流されて来た…
臣さんのことも…
お姉ちゃんのことも…
言い訳出来る何かを…
いつも自分の傍に置いてきた…
「怖かったの…。何かを言い訳にしていないと…どこへも行けない気がしてた…。」
だから…
臣さんとの結婚が出た時…
どうしていいか分からなかった…
違うとも…
そうだとも言えず…
誰かが背中を押してくれるまで…
待ってたのかもしれない…
ゆっくり落とす視線。
口元を緩める。
「このまま付いてったら…私は壱馬くんの想いを…きっと言い訳にする…。」
壱馬くんが…
それでいいと言ったから…
私が選んだんじゃないからって…
「それじゃ…ダメなの…。」
Aの思いに壱馬は小さなため息をついた。
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kotanon(プロフ) - 更新ありがとうございます！願いは変わらずみんなの未来にどうか明るい光が差します様に(‐人‐) (2019年7月4日 22時) (
レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ヤバい(//∇//)壱馬がカッコよすぎ(〃ω〃)もう壱馬と結ばれちゃえって思っちゃいます (2019年7月3日 17時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - みなさんコメントのお礼をサボっていてすみません。有難く読ませて頂いてます！ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - かじゅま、、、最高すぎいい男すぎるたまらないです(´；ω；｀)玲於にも臣さんにも幸せになって欲しいって思うけどまだまだ終わって欲しくないって葛藤してます（笑）これからも更新楽しみにしてます！！ (2019年7月2日 20時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 一日で全部読みました！すっごく面白いです。更新待ってます(*´ω`*) (2019年6月30日 12時) (レス) id: 7a7bc6c821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年6月17日 15時
