渋滞 ページ32
夜の街を走り抜けるタクシー。
時折、渋滞に捕まると落ち着かなくて足を揺らした。
※「お客さん…ちょっと時間かかるねー、これ。」
ノロノロと動いていた車が完全に止まってしまった。
「後どのくらいですか…？」
※「動けば10分くらいだけど…。」
「じゃあ、ここで降ります。」
お財布からお金を出す。
道のど真ん中でタクシーを降りると、パンプスで走り出した。
急がなきゃ…
二人に会わなきゃ…
走りにくくて何度もつまづく。
それでも、中目黒の事務所に向かって走った。
息が上がって膝に手をつく。
プルルル…
鳴り出した電話。
玲於かもしれない。
壱馬かも。
そう思って引っ張り出した。
「もしもしっ！？」
慌てたように、乱した呼吸のまま応答した。
NA「なんだなんだ…。どうしたの…？」
流れてきた声はナオト。
「ナオトさん…？」
NA「ごめん。忙しかった？」
「あ…いえ。タクシーが渋滞で…走ってたから…その、転びそうになって止まったけど…えっと…。」
片言の文章。
それでも言いたいことは伝わった。
NA「急いでたのね。んじゃ、またにするよ。」
クスッと笑う。
「あっ、大丈夫。もう…落ち着きます…。」
フゥ…と大きく息を吐き出す。
段々と落ちつおてくる呼吸音はナオトにも聞こえていた。
NA「ライブ…無事に終わったよ…。」
「えっ…。」
NA「臣ちゃん、ちゃんとやり遂げた。」
ホッとして肩から力が抜ける。
「良かった……。」
NA「さすがだよ。忘れちゃってたらどうしようかと思ったけど、身体に染み付いたもんってそう簡単には無くならないな(笑)」
「そうですね…。」
忘れちゃったのは…
私の事だけ…
あんなに長いこと一緒にいたのに…
私の事は…
染み付いてはくれなかったんだな…
ふとそんな事を考えてしまった。
NA「もう……大丈夫だから…。」
声のトーンが変わる。
NA「A……もう臣ちゃんを手放せ…。」
「………え。」
耳を疑うセリフ。
NA「もう自分の気持ちに正直に生きろ…。」
「何…言ってるんですか…？」
NA「玲於と壱馬の話を聞いたか？」
「え…あ、はい…。GENERATIONSのマネージャーさんから…もう会わないで欲しいと…。」
NA「今度こそ…自分で決めるんだ…。」
色んなしがらみから…
自分を解放して…
本当に行きたいところへ手を伸ばせ…
小さな肩にぶつかる人が、Aのことを怪訝な顔で見ていた。
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kotanon(プロフ) - 更新ありがとうございます！願いは変わらずみんなの未来にどうか明るい光が差します様に(‐人‐) (2019年7月4日 22時) (
レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ヤバい(//∇//)壱馬がカッコよすぎ(〃ω〃)もう壱馬と結ばれちゃえって思っちゃいます (2019年7月3日 17時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - みなさんコメントのお礼をサボっていてすみません。有難く読ませて頂いてます！ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - かじゅま、、、最高すぎいい男すぎるたまらないです(´；ω；｀)玲於にも臣さんにも幸せになって欲しいって思うけどまだまだ終わって欲しくないって葛藤してます（笑）これからも更新楽しみにしてます！！ (2019年7月2日 20時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 一日で全部読みました！すっごく面白いです。更新待ってます(*´ω`*) (2019年6月30日 12時) (レス) id: 7a7bc6c821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年6月17日 15時
