辿る記憶 ページ4
RO「心当たりは…？」
首を横に振る。
RO「写真には約束の日。指輪には約束の人…。何を約束したのか覚えない…？」
眉間にシワが寄るほど悩む顔。
「婚約者の…約束なんじゃ…？」
RO「指輪だけならな…。でも写真のは、かすれ具合からして昨日今日書いたもんじゃない…。」
「でも…私…こんな写真を撮った覚えもないわ…。」
RO「これはいつ…？」
「高校の制服だけど…ボブだから入学したてくらいかもしれない。」
RO「間違いない？」
「うん…。元々お下げだったんだけど、入学したての頃ボブに切り落としたの…だからよく覚えてる。」
RO「じゃあ…その頃登坂さんと、なんか約束しなかった？」
そう言われるとやっぱり悩んでしまう。
「ごめんなさい…。思い当たらないわ…。」
やっぱり…
婚約者の意味なのか…？
俺の考え過ぎか…？
RO「その頃の事で登坂さんとの想い出、無い…？」
唇を指で摘んだ。
「中学卒業の頃…お姉ちゃんに紹介されて……。」
RO「思い出せ…。大事なことなんだ…。」
「そう…言われても……。」
足元にあるAのカバン。
少しだけ覗いている白い紙。
手を伸ばして引っ張り出す玲於。
「玲於！？」
勢いよく開いた紙には、婚姻届の文字。
「ちょっ…返して！」
取り返そうとしても、簡単にかわされた。
RO「お前…本気か…？」
「冗談で書けないよ……。」
RO「これを書くってどういう事か分かってんのか！？」
「分かってる…。」
RO「もう悩めないんだぞ！？迷ってますなんてもう言えないんだぞ！？」
「それは…玲於でも同じでしょ…。」
どの道…
普通じゃない…
「返して…。」
やっぱり掴ませて貰えない紙。
「もう返してよっ！！」
強引に取り返そうとすれば、勢いでソファに玲於を押し倒した。
ハラッと床に落ちる婚姻届。
RO「普通じゃないのは…芸能人だからじゃない…。」
「え……。」
RO「俺たちは毎日…普通に電車に乗って…普通に街を歩く…。コンビニにも行くし、酒も飲む。普通じゃないのは…普通じゃないって言い聞かせてるお前自身じゃないのか…？」
「私…自身…？」
頬に添えられた手。
RO「何が普通かで…未来を決めようとするな…。決まらないからってヤケになるな…。」
大事なのは…
Aが…
誰と…
どう生きていきたいかだ…
RO「俺は…Aと…毎日笑って生きていきたい…。」
頭をそっと引き寄せる。
柔らかい感触が優しく重なった。
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kotanon(プロフ) - 更新ありがとうございます！願いは変わらずみんなの未来にどうか明るい光が差します様に(‐人‐) (2019年7月4日 22時) (
レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ヤバい(//∇//)壱馬がカッコよすぎ(〃ω〃)もう壱馬と結ばれちゃえって思っちゃいます (2019年7月3日 17時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - みなさんコメントのお礼をサボっていてすみません。有難く読ませて頂いてます！ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - かじゅま、、、最高すぎいい男すぎるたまらないです(´；ω；｀)玲於にも臣さんにも幸せになって欲しいって思うけどまだまだ終わって欲しくないって葛藤してます（笑）これからも更新楽しみにしてます！！ (2019年7月2日 20時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 一日で全部読みました！すっごく面白いです。更新待ってます(*´ω`*) (2019年6月30日 12時) (レス) id: 7a7bc6c821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年6月17日 15時
