出来ること ページ3
ボストンを抱えて帰って来た自宅。
臣の部屋に戻ろうと思うのに、自宅に戻って来てしまった。
はぁ…
ため息をついてソファに腰を落とす。
"お前どこに行きたいんだよ…"
"お前の幸せはどこにあんだよ…"
壱馬の言葉がいつまでも頭に残っていた。
私の…
幸せ…
私の…
行きたいとこ…
そう思ったら思い出してしまったのは、玲於の顔だった。
ブンブンと頭を振る。
壱馬くんが…
あれだけ気持ちを伝えてくれたのに…
玲於を思い出すなんて…
「最低………。」
手繰り寄せるカバン。
中から婚姻届を引っ張り出した。
広げて見つめる臣の名前。
"それを書け…"
立ち上がってボールペンと、印鑑を取って戻って来る。
床に座ってペンを構えた。
"同情で登坂さんが救えるとでも…？"
それでもやっぱり…
私にはこれしか…
出来ることがない…
自分の名前を書こうとした時だった。
ピンポーン…
鳴り響くインターホン。
ピンポーン…
二度目はすぐに鳴らされた。
ペンを置いて玄関に向かう。
「今開けます。」
そう声をかけて開いた扉。
「……玲於。」
RO「よっ。」
笑顔を見せた。
RO「ごめんな、こんな時間に。」
「どうか…したの？」
RO「ちょっと…話あんだけど入ってもいい…？」
「え、あ…うん。」
大きく開いてくれる扉。
スリッパを出されて上がり込む玲於。
テーブルの上の紙を慌てて折りたたむA。
「あ…なんか飲む？」
RO「いいよ。」
折りたたんだ紙をカバンに押し込むと、キッチンに向かおうとする。
その腕を軽く掴まれた。
RO「いいから、ちょっと座って…。」
「う…うん…。」
微妙な距離感でソファに座る。
ポケットに手を突っ込む。
RO「これ…。」
引っ張り出して開かれる掌。
ちょこんと乗ったリングにハッとした。
「あり…がと……。」
指先で摘んだ。
RO「内側の文字…見たか…？」
「え？文字？」
指輪をかざして見る、掘られた文字。
「気付かなかった…。なんて書いてあるのかしら…？」
RO「約束の人…。」
「え？」
RO「フィンランド語らしい…。」
「フィンランド語…？」
顔を近くに寄せてマジマジと見つめる。
RO「それと…これ…。」
反対側のポケットから今度はナオトが持っていた写真を差し出した。
「こんなの…いつ撮ったっけ…？」
首を傾げる。
RO「裏見て…。」
言われた通り裏を見れば臣の文字が書かれていた。
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kotanon(プロフ) - 更新ありがとうございます！願いは変わらずみんなの未来にどうか明るい光が差します様に(‐人‐) (2019年7月4日 22時) (
レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ヤバい(//∇//)壱馬がカッコよすぎ(〃ω〃)もう壱馬と結ばれちゃえって思っちゃいます (2019年7月3日 17時) (レス) id: 48eab865b8 (このIDを非表示/違反報告)
ままりぉ。(プロフ) - みなさんコメントのお礼をサボっていてすみません。有難く読ませて頂いてます！ (2019年7月3日 7時) (レス) id: 93d184a48a (このIDを非表示/違反報告)
ゆん - かじゅま、、、最高すぎいい男すぎるたまらないです(´；ω；｀)玲於にも臣さんにも幸せになって欲しいって思うけどまだまだ終わって欲しくないって葛藤してます（笑）これからも更新楽しみにしてます！！ (2019年7月2日 20時) (レス) id: b898575e0c (このIDを非表示/違反報告)
みさ - 一日で全部読みました！すっごく面白いです。更新待ってます(*´ω`*) (2019年6月30日 12時) (レス) id: 7a7bc6c821 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ままりぉ。 | 作成日時：2019年6月17日 15時
